アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
こんにちは、電動歯ブラシ買った途端歯磨きが楽しくなったワタリ(@wataridley)です。
『SSSS.GRIDMAN』第4話「疑・心」の感想を書いていきます。
▼前回感想
個性を前面に、動き出したキャラクター達
これまで謎多き存在として、響達とは怪獣退治の上で協力していたグリッドマンが、今回の話では響のプライベートにアドバイスを送る一面を見せていたのが面白い。
これに代表されるように、今回では物語の前段を終えて、キャラクターが生き生きと動いている。関係が薄くとも他者の安否を気にかける六花、そんな彼女がもしや他の男と発展するのではないかと憂う響裕太、グリッドマンを突き止めるべく六花に接近するアカネ、グリッドマンに敵愾心を燃やすアンチなどの各々が物語における役割を果たしつつも、キャラクター性を色濃く発揮した回となっており、ドラマパートに関しては4話が最も見応えがあった。
アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
前回の感想で述べた、響と六花の関係が薄弱ではないかという指摘は、今回を見るとどうやら杞憂に終わりそうだ。
気になるあの子が、お盛んな大学生、それもユーチューバーなどという怪しげな連中と遊ぶなどという事態は深刻だ。響にとって気が気でないことは手に取るようにわかる。全国のユーチューバーの皆さんごめんなさい。
ストーキング、もとい偵察に行くも男と楽しげに過ごす様子を見た時は内心不安でいっぱいだったことだろう。そんな不安に苛まれている中で、彼女への恋心を口にする裕太。これによって彼の進むべき方向性が提示されたようだ。おまけに、記憶喪失の直前に六花に何を言ったのかについてもこちらの興味を引き付けてくる。
危機からあの子を救うといういかにも王道で、思春期的な甘酸っぱい動機ではある。だが、今作の敵対するアカネがそうした普通の日常を否定し、破壊せんとするために、それにどう跳ね除けるのか。あくまでグリッドマンをジャンク屋に居候させているにすぎない関係から脱却し、距離を縮められるのか。2話ではサムライ・キャリバーが六花自ら響に胸中を打ち明けるよう後押しされていたが、その成就に目を向けたい。
アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
グリッドマンに課された制限
PC機器に依拠する存在であるがために、2話ではサムライ・キャリバーによる調整で機能を向上させる特徴が見られた。
今回は逆に限られたマシンスペック故に、新世紀中学生を全員召喚することができないという制限が判明した。スペックの足りないPCで無茶なことすると止まってしまう当たり前の光景がロボットものでわかりやすく表現されていたのは意外な共感を覚えた。
アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
これはもちろんグリッドマン側に不利だ。1対2ならば、全員でかかってしまえという発想が通用しないのだから。
しかし、メタフィクショナルな視点で見ると、この制限は毎回怪獣とのバトルで活躍するサポーターを自然と交代できる理由づけになっている。4人全員で、という究極のステータスアップはおそらく最終回用に取っておくとしても、それまでに1人1人フォーカスしなければ話にならない。だから、こうして1人ずつ活躍の場を与える設定になっているのかもしれないと思った。
前回に引き続きマックスと合体し、三つ巴の戦闘を繰り広げた。この点については、1対1の構図が目立ちやや三つ巴の面白みが薄かったり、前回と合体パートナーが被っていることによる新鮮味不足が気になったが、上記の制限でこれからどう見せていくのかという期待感は得られた。
アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
まとめ
バトル描写に重点置きつつ、ドラマ部分はややあっさり気味な作風であったこれまでと比較して、今回はむしろその関係が逆転しているように思えた。
響の六花に寄せる心情の吐露は、予定調和ではあるが確実に話の歩を進めている。グリッドマンを突き止めようと画策するアカネの行動も本格化し、視聴者だけが知り得る彼女の動向を追ううちに叙述トリックものの犯人を見ているような感覚にも陥る。アカネとの距離感を覚えつつやはり他人の身を案じる六花の姿やアカネの願望よりもグリッドマンの打倒に燃えるアンチのキャラクター造形もより鮮明になっている。
そこに注力した結果からか、今回のバトルについては、コンセントからプラグを引き抜いて途中中断というやや拍子抜けな展開や、三つ巴のバトルであるが怪獣のみを倒して終わる呆気なさもあった。
アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
しかし、まだ残されている新世紀中学生の見せ場や、直面せざるを得ないアカネとの対決など、持ち越された愉しみと化学反応を起こしそうな要素はふんだんに存在する。
何より自分は響と六花のもどかしい接近過程に入れ込んで見る気満々なのだが、それもまたドラマチックに展開してほしいと願うばかりだ。
▼次回感想
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