『SSSS.GRIDMAN』第8話「対・立」感想: 少女の、傷跡すら残らない、足掻き

スポンサードリンク

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

こんにちは、歴代最高トレーラーは『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の3rdトレーラーだと疑わないワタリ(@wataridley)です。

今回も追いかけている『SSSS.GRIDMAN』第8話「対・立」の感想を書いていきます。

▼前回感想

 

六花は「作られた」のか?

アカネの口から、六花はアカネを愛するように設定され怪獣から生まれた人間であると明かされる。

©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

中学以来アカネと全くしゃべることがなかったはずの六花がアカネが裸で定期を持っていたのを見てパスケースを購入していたこと、バス停でアカネを待ち侘びていたこと、対立せざるをえなくなってもなお戦いを躊躇していたことなどから、本能的にアカネに有利な行いをしているのだとわかる。

だが、この真相はあまりに突飛で飲み込みがたい。第1話「覚・醒」にてグリッドマンの出現をその場では理解しきれない様子を見せていたように、彼女は等身大の女子高生である。関係が深かろうが浅かろうが他人を思いやるほど心根も優しい。

些細な動機から人を抹殺しに走るアカネとは対極的な性質としかいいようがない。

実際、これまではアカネの利害に反するグリッドマン同盟にーー成り行きかつ半ば強引にではあるがーー加担していたのだ。

だから、アカネが告げた言葉が仮に真実であったとしても、六花には六花の意思が育まれている。そう信じたいものだ。怪獣によって誰かが犠牲になることを恐れ、裕太に戦ってほしいと願っていたのは「作られた六花」ではなく六花そのものだ、と。

気のせいかこの真実を知ったあとの六花は余計に感情豊かに見えた。憂いながら壁に寄り掛かる様子、気丈にふるまって笑いかける表情など、どう見ても作り物にはみえない。

「あのパソコンもこの店も親のものだし、結局わたしは何もできてない」と語る六花に対し、それを否定する響は六花のおかげで切り抜けてこられたと語ることで彼女を肯定しようとしていた。その告白を遮るようにして、内海に謝ると切り出した六花は、自分自身を肯定され、グリッドマン同盟の真の一員になることを恐れていたのではないかと考えることもできる。

響が彼女を仲間とするのか、六花の心の針ははたまたアカネの側に振れるのかが焦点になるのだと感じた。

©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

学園祭なんかよりも怪獣がみたいというのは本当なのか?

今回の話の軸は、響たちの学校で何年ぶりかに開催されることになった学園祭。

お祭にはしゃぎ、騒ぐ者の陰には常にそうでない者の存在がある。

スポンサードリンク

アカネは後者だ。自分の好きな怪獣を学園祭で暴れさせれば、響たちへの宣戦布告と気に食わないことの破壊を一石二鳥に行える。アレクシスのインスタンス・アブリアクションを中断させてまで学園祭で暴れさせるあたりに、彼女の屈折した欲望が垣間見える。

響、内海、六花をわざわざ招集して、予告していたのは、注目を集めたかったからだろう。事態を引っ掻き回すことで周囲の視線を集める行為は、子供のいたずらによく似ている。アカネは前から世界を破壊と修復で欲しいがままにしていたようだが、自分を知覚できる対抗馬が現れたことである意味で独りよがりな性格が助長されたようだ。

裏返すと、そこまでして響たちとの対立を楽しんでいるともとれる。つまり、グリッドマン同盟とアカネは殺しあうばかりの道ではなく、もしかすると共にひと時を楽しむ遊び仲間にだってなれるのではないだろうか。

学園祭を壊すのだって、1人世界から浮いた自分をよそに楽しむ周囲がつまらないからであり、本当は交わりたくて仕方ないのだと思えてくる。

しかし、今回の事件の少女の足掻きは無為に帰し、傷跡さえ残ることなく学園祭は催された。アカネの心中を支配するは空虚にほかならない。

©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

フルパワーグリッドマン、見参

第4話「疑・心」ではジャンクPCのマシンスペックの限界から叶わなかった全員集合がようやく叶うことになった。

ロジックとして、出力を抑える=サイズを半減させることで本体を弱体化させつつも、すべてのアシストウェポンとの合体を実現することでかつてないほどの強化を得るのは意外な突破口である。アカネが驚くのも無理はないほどにメカメカしい外見となったが、恐らくグリッドマン史上最短で終わった戦闘もインパクトがあり、見ごたえがあった。

戦う怪獣も第1話のリベンジマッチとあって、アカネとの怪獣バトルという意味では総決算的な内容となっている。

これでもまだ、サイズダウンという枷をつけた状態であるため、まだまだ伸びしろを残している点も見逃せない。きっとクライマックスに向けて、さらなるサプライズがあるはずだ。

©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

まとめ

学園祭というみんなでひとつのことを作り上げるイベントを破壊しようとするアカネとそれにあらがう集団グリッドマン同盟の対決構造はおそらく今回で頭打ちとなった。

グリッドマンに決定的な敗北を喫したアカネに言葉をかけているアレクシスは不穏な空気を醸し出している。

アレクシスを倒すことはもちろんだが、アカネという”退屈”な少女を救うことができるのだろうか。加えて六花の動向と正体が気がかりだ。

既に放送された分を急いで追ってきたが、やっと次回9話で追いつく。最終回まで目が離せない。

▼次回感想

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です