『SSSS.GRIDMAN』第2話「修・復」感想: 日常を守る者と壊す者どうしの対立

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アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

こんにちは、新谷真弓の声を聞くたびに脳が柔らかくなる気がするワタリ(@wataridley)です。

追っかけで見始めた『SSSS.GRIDMAN』第2話「修・復」の感想を書いていきます。

▼前回感想

 

謎を追って浮上する新たな謎

前回のラストにて提示された、何事もなかったかのように元通りの世界。今回の話はその現象を探るために費やされた。

平穏そのものの学校、事実が改変され消えた生徒、そのことに無自覚なほかの人々、その違和感を知覚できる響たち。グリッドマンに絡んだ事象が何もかも現実離れしている。

内海が電話連絡網から割り出した住所を調査するうちに、バレーボールの部員たちは中学時代に既に亡くなっていた事実が明らかになる。平穏を取り戻したかのように見えた学校に、確実に損害があったことを裏付ける。

このことに胸を痛める六花も描かれ、怪獣に脅かされる日常を守るために響たちが戦う理由が付されたようだ。

響たちの前に唐突に現れたサムライ・キャリバーは見るからに不審な挙動を取る一方、グリッドマンの事情に通じ、更には武器にもなる。彼らにとって頼もしい存在となることだろう。くたびれた風貌の内に潜めている真意と合わせて、これからに期待する。

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

アップデートされるグリッドマン

1話は触りという名目上、ベーシックで保守的なアクション描写に終始している印象を受けた。しかし今回の話ではそれを繰り返すのではなく、電子機器と縁のある機体をいとも簡単にアップデートし、更にはサムライ・キャリバーの加勢も手伝って、独自性が付与された。

グリッドマンのボディは白を基調としている点は前回と同じだが、赤や青を取り入れることによって白昼に堂々と現れてもなお目立つデザインとなった。前回は夜に合わせて発光していたのかもしれない。とにかく、戦闘のシチュエーションによって姿や武器がカスタマイズできることを決定づける戦闘シーンになっていた。

響も腕に装着するデバイスを獲得し、より今後も柔軟にグリッドマン化が行えるのではないかと察せられる。1話、2話ときて能力が着実にアンロックされている実感を得た。

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

現実逃避ならぬ現実破壊を履行する新条アカネ

今回明らかになった事実として、現れた怪獣は新条アカネが気にくわない人物を殺す=無かったことにするために暴れていたらしい。

バレーボール部員たちはボールでスペシャルドッグを潰したことで、担任の先生は角でぶつかったことで、アカネの機嫌を損ねてしまった。だから殺すというのはあまりに幼稚で凶暴な動機であるが、彼女の破壊衝動を幇助する謎の存在も気がかりだ。

グリッドマンと同じくモニターの中でアカネと語り合い、そして彼女が制作した怪獣を実寸大に変える特殊な能力を有している。

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黒幕が彼女を突き動かしているのか、それとも唆されてこの狂気に堕しているのか、その点含めて彼女の同行は物語を追う上での取っ掛かりである。

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

散見されるコケティッシュさ

前回は宝多六花の外見や仕草に魅力を感じたが、今回は怪獣に関与しているという事実を開示したアカネに注力しているように思えた。

グリッドマンと響の繋がりを感じ取り、屋上でランチを共にするシーンは一見ほほえましい。その中でもストローが強く齧られ変形している描写に彼女の暴力性が密かに示唆されている。

家に帰ってからは、謎に包まれたアカネの生活風景が映し出される。乱雑に散らかるゴミ袋、ガラスケースの中に窮屈に並べられる怪獣のフィギュアなど。アカネが脱ぎ捨てたストッキングが映ったあとに、生足でモニターに向かうラフな姿を映すというやけに生々しい描写もある。

アカネの嗜虐性を訴えかけるように、メガネと怪獣の映るモニターはひび割れている。苛立ちからモニターを蹴飛ばした際の足裏の作画といい、妙にコケティッシュな映し方が目に付く。

逆に響や内海にはこうした描写があまりない。六花も拘りを感じるカメラワークなどはあるものの、ここまで特徴を押し出してはいない。

表面的には穏やかな口調でありながら、その内容は自分にも思い当たる苛立ちを更に増幅させたそれであったりする。アニメに反した生々しさ、コケティッシュさは彼女のキャラクターを際立たせているようだ。

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

 

まとめ

アイキャッチ画像: ©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

今回描かれた気に食わないものごとを丸ごと葬り去ろうとするアカネは、平和を守り何も変わらないよう努める響たちと明確に対立している。

グリッドマンという謎の存在に戸惑い、なぜだか怪獣と戦う羽目になった前回から一転して、今回では怪獣と戦う意味、その先にある日常の前向きな変化が描かれた。響自身もこの繰り返しに意味はあるのかと問うていたが、担任の教師が態度を改めていたことから見ても、破壊してすべてを終わらせる行為の虚しさは否定できない。何より、六花のように失うことを恐れる人の存在も戦う動機となってくるのだろう。

アニメではありがちな学園モノという舞台設定も、この文脈においては意義をもつ。社会性を獲得していくべき成長過程にあって、気に食わないことや苦しいことを回避したいという問題は不可避だ。立ち向かおうとする表象が響たちグリッドマン同盟で、排除せんとするのがアカネなのだろう。

ストーリー面では現時点、やはり響たちがやや受動的に事態を受け止め、グリッドマンやサムライ・キャリバーといった者の助けを得て対処に回る側面が強い。

だが、これらはグリッドマンの機能や武器が拡充していくにつれて、彼らの明確な自立が見られることで解決されると踏んでいる。

だから、引き続き楽しみに『SSSS.GRIDMAN』を追っていくことにしよう。

▼次回感想

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