こんにちは、4DXは2Dのほうが3Dグラスを付ける手間がかからんくて楽だと思うワタリ(@wataridley)です。
今回は『ドラゴンボール超 ブロリー』<4DXブロリーエディション>のレビューになります。
単刀直入に言って、物凄い没入感と興奮を覚えられる体験でした。
『ドラゴンボール超 ブロリー』<4DXブロリーエディション>鑑了。飛び道具は耳を掠め、殴打は背に衝撃を走らせる。空中を飛び交っているかのように身体は揺れ続け、激しいアクションに脳も体も疲労困憊必至。気を発する際のバイブレーションも臨場感を演出。『マッドマックス FR』に比肩しうる4DX体験。
— ワタリdley (@wataridley) 2019年1月19日
▼『ドラゴンボール超 ブロリー』の作品のレビューはこちら。
スモークやフラッシュでしっかりと演出強化
物語の幕開け、堂々と画面に映る20世紀FOXの社名表示。画面内のスポットライトの光がきちんと4DXのフラッシュで再現され、こちらの期待感も高まります。
惑星ベジータが映りこむ宇宙空間のシーンから、座席の傾きによって浮遊感が演出されていました。直後のフリーザ軍の襲来の場面ではもちろん宇宙船の動きに合わせて座席が動いていましたし、建物と衝突したことで立ち上る煙も前方のスクリーンの両端からもくもく上がっていきました。
まだ、見せ場に至っていない序盤の段階でも十分に4DXの効果は使用され、たしかに作品世界への没入をアトラクションのように手助けしてくれるのです。
惑星バンパで、パラガスとビーツが緑色の毛むくじゃらの怪物を発見した時にも、その体臭を伝えてくれる香水が放たれており、微細な部分まで体感させようとするサービス精神にちょっぴり感動しました。
海上で悟空とベジータが手合わせしているシーンでは当然水しぶきが顔にかかりますし、風が強く吹く場面ではエアーも吹き込んできます。
4DXは多彩な演出機能が備えられています。「バブル」や「雪」を除くと、今作では主要な機能はほぼ全て使用されていたため、お得感があります。
(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会
振動で「気」を感じる
今作の演出の中でも特に印象に残ったのが、座席のバイブレーション。
『ドラゴンボール』における「気」の強大さは作中の登場人物の五感に訴えかけたとしても、こちらとしては色付きのオーラを視覚で捉えるしかないというもどかしさが少なからずあります。例えば『HUNTER×HUNTER』でメルエムがいくら「軍隊がいる」とナックルに言わしめるほどのオーラを放ったとしても、観る側としては実感できないわけです。
しかし、『ブロリー』4DXにおいては、観客もしっかりと「気」を感じることができます。座席のバイブレーションによって、その激しさを背中に受け、強さを読み取ることができるのです。
悟空、ベジータらが超サイヤ人、超サイヤ人ゴッド、超サイヤ人ゴッドSSになっていくシーンでも地響きや場の空気の緊張が、座席の小刻みな振動として伝わってきます。
が、ブロリーの怒りに呼応して高まっていくパワーは、彼らとは比にならないほど強い振動で表現されているため、悟空とベジータが敵わない強敵ということに説得力が生まれていました。
島田敏の喉が張り裂けそうな「叫び」と空間をも揺るがすド派手なエフェクトを、しっかりこの肌でも感じられるのは、4DXならではの利点です。振動が起こるたびに、悟空たちだけではなくこちらの身も引き締まっていました。
(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会
悟空みたいな髪型になりそうなエアー
『ドラゴンボール』の悟空の特徴といえば、やはりあのツンツンヘアーでしょう。シルエットにしても、一目で悟空だと理解できるシルエット力があります。
この4DXでは、そんな悟空よろしく髪が乱れそうなほど、エアー演出が多用されています。
前述したようにフリーザ襲来のシーンでは不吉に吹く風が、惑星バンパのシーンでは夜とワンセットでやってくる嵐がきちんと再現されていました。
そうした自然風のみならず、登場人物たちの激しい動作にも風が付与されており、臨場感を高めていました。攻撃が空を切れば、きちんと風が吹き、間近で彼らの戦いを見ているようでした。パラガスが「ブロリー!!!!」と叫び、俊敏に駆けつけるシーンも、目に見えないエアーのおかげでよりインパクトが高まっていました。
今作では、悟空たちはとにかく空中を動き回りながら、「かめはめ波」や「ファイナルフラッシュ」、その他色々な飛び道具系の攻撃を繰り出していきます。その気功を飛ばす際には、座席の耳の近くから空砲が射出され、まるで攻撃が自分の体を掠めているかのようでした。耳が弱点の人は要注意です。
戦いの中で彼らが体感しているはずの強風がこちらまで伝わってくるのだから、バトルシーンでついつい体を動かしてしまうほど戦闘シーンが好きな自分にはたまりません。
(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会
激闘を再現したシートの動き
悟空達とブロリーがダイナミックに空を飛んでいく戦闘シーンでは、もちろん座席は動きっぱなし。
座席の動きは、公式には左右に動く「ROLL」、上下に動く「HEAVE」、前後に動く「PITCH」という3つの種類に分類されているのですが、どれもが隈なく使われています。
ブロリーは、悟空やベジータ達と違って理論立てられた戦闘スタイルを持っておらず、とにかく体を上下左右前後に動かしまくるため、この座席のアクションがやたらと激しい。画面上で展開される激戦を忠実に座席で再現するものだから、戦闘民族ではない自分の脳では処理しきれない。座席にもたれかかっている自分の体は終始緊張状態に陥っていました。
座席には、背中から衝撃が加わる仕掛けがあります。マッサージチェアにも似たそれは、例えば悟空がブロリーからタコ殴りにされ、壁に打ち付けられるシーンにおいて発動し、悟空が喰らっている痛みが(痛くない程度に)希釈されて自分の背中に伝わってきました。
ゴールデンフリーザの「見せ場」でもその激しさが手に取るようにわかりました。かわいそうでした。
宇宙も混乱に陥れかねないブロリーとの戦いを描写しきる渾身のアニメーションが、激しい座席の動きと重なることで、超人同士の戦いに居合わせたかのような感覚になりました。
上映後は、長時間アトラクションに乗ったかのように疲労困憊になること必至です。
(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会
まとめ: ブロリーとの対決を感じた
画面内で気が放たれるたびに風が頭を掠める。
攻撃を喰らった時の衝撃も伝わってくる。
猛攻の合間を駆け抜ける高速移動も体の揺れで体感できる。
強敵ブロリーとの人智を超えた戦いを現実に持ち込んだ4DXは、あまりに激しく、あまりに楽しい。動きのバリエーションは豊富で、後半のバトルはずっと動きっぱなしであるため、頭が追い付かない場面さえあったほど。
4DXとの親和性が高い作品というと『マッドマックス 怒りのデスロード』が思い浮かびます。今作の強烈なエフェクトの殴打と、作品世界への没入感はそれに匹敵していると感じました。
多少高い料金にはなるが、体験で得られる興奮はとてつもなかった。
おススメです。
▼以前に書いた『レディ・プレイヤー1』の4DX感想。
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