『Marvel’s Spider-Man』感想: 誰でもすぐにスパイダーマンになれるキャラゲーの極致【レビュー】

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こんにちは、好きなマーベルヒーローはブラックパンサーのワタリ(@wataridley)です。

今回は、そんなカッコイイヒーローに心ときめく全人類に向けて作られたPS4のゲーム『Marvel’s Spider-Man』をレビューしていきます。とにかくMarvel’s Spider-Manがすげえ!

 

前置き: Marvel’s Spider-Manは極めて万人向けな傑作タイトル

『Marvel’s Spider-Man(スパイダーとマンの間にあるハイフンを忘れるな!)』は、人気アメリカンコミックヒーロー「スパイダーマン」を原作とした、2018年9月7日(金)発売のPS4専用ソフト。

簡単な概要だけ説明しますと、ニューヨークのマンハッタンにて「親愛なる隣人」として日々待ちで発生する犯罪やトラブルを解決して回る超人スパイダーマンを主人公としたオープンワールド型アクションゲームです。

その名が指す通り、彼は蜘蛛のように壁を這い、蜘蛛のように糸を噴射して街中を飛び回り、蜘蛛のように鋭い感覚で危険を回避し、更に持ち前の超身体能力で悪と闘うことができます。

幾度か映画化もされ、今は世界で大ヒットしている映画『アベンジャーズ』シリーズにも参加している大人気ヒーローなので、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。

今作はそんな彼を操作、いや彼になりきって活躍することのできるゲームです。

自分はスパイダーマンが出演している映画を全て視聴済み、かつPS4を持っていたため、今作を買わずにはいられませんでした。

やってみた感想としては大満足としか言いようがないです。

とはいえ、人によって買うかどうか迷われることでしょう。念のために今作をオススメできるタイプの人を以下にリストアップしてみました。

①スパイダーマンが好きで、かつPS4を所持している人←オススメです。今作はPS4の性能をフルに活用したグラフィクスに、スパイダーマンの浪漫がこれでもかというほど詰め込まれています。

②スパイダーマンは好きだが、PS4は所持していない人←オススメです。今作は本体ごと購入したとしても、摩天楼を駆ける圧倒的爽快感とスパイダーマンになりきれる没入感で元を取れるどころかお釣りがシャワーのように返ってきます。

③スパイダーマンのことはよくわからないが、PS4は所持している人←オススメです。今作はPS3時代から毎シーズン発売されては、消費され話題から消えていくオープンワールドゲーム群から飛び抜けたクオリティ・オリジナリティの両面を有しています。

④スパイダーマンのことはよくわからないし、PS4も持っていない人←オススメです。今作は写実的なニューヨーク州マンハッタンを舞台にしており、PS4本体+ソフト代を出すだけで、ビル間をバンジージャンプ&ワイヤーアクションで飛び回るツアーに参加することが可能です。うん十万の旅行代よりも遥かに安い値段で、アトラクションと旅行の一体型体験へ旅立ちましょう。

つまり、この記事を読んでいる方は少なからず興味があるはずで、それならば購入に踏み切ってしまってよいという結論です。

とはいえ、このような広すぎる言葉で語ったところで、このゲームの魅力は伝わらないでしょう。もっと細かくこのゲームの魅力を分解してレビューしていきます。

 

さながら映画のような贅沢ビジュアル

プレイヤーがゲームを始めて最初に目にする要素は文字通りビジュアルにちがいありません。

スパイダーマン自体、既に実写映画になっており、尚且つ大スクリーンに大音響で提供される体験をプレイヤーがしてしまっているために、ハードルはとんでもなく高いです。

結論から行くと、『Marvel’s Spider-Man』のグラフィックは完全無欠・気韻生動・迫力満点としか言いようがありません。ゲームというメディアに場を移したスパイダーマンは、相変わらずスパイダーマン的迫力を保ったままである上に、プレイヤーが操作するにあたっての気持ち良さを引き立てるキャラクターと舞台がそこにありました。

 

スパイダーマンの再現度

スパイダーマンの造形は完璧です。

最初に着用しているオリジンスーツは、赤を基調とし、鮮やかな青が映えてはいますが、序盤の時点で既に長年活動していたとあって古ぼけた質感もきちんと取り込まれています。

勿論、スーツの表面は触り心地のよさそうなきめ細かな繊維になっています。非常に些細なところまできちんとグラフィックで表現されているので、観察してみるのもひとつの楽しみ方です。

今作ではスーツを着せ替えられるシステムがあり、これまでに登場したスーツは一通り収録されているため、着替える度に作り込まれたスーツのデザインに惚れ惚れします。『バットマン』や旧『スパイダーマン』のゲームにはないフォトリアルなグラフィックとスパイダーマンのスーツバリエーションがあってこそ成せる技です。

 

マンハッタンの摩天楼と喧騒

スパイダーマンの庭とも言えるニューヨークはマンハッタン。

並び立つビル群、そこに生活する多種多様な人々、ビジーな交通道路といった騒がしい光景が現実同様広がっています。何よりも素晴らしいのが、映画の『スパイダーマン』で見たことのある景色がそのまんまゲーム内に存在していたりする点です。

直近で言えば『スパイダーマン: ホームカミング』でのピーターの地元ブルックリンや『アベンジャーズ /インフィニティ・ウォー』でアイアンマンを助太刀した広場などがありました。

アベンジャーズのマークが掲げられたビルもシンボリックな存在感を放っており、現実のニューヨークとマーベルの世界観の双方に入り込んだ気分になれます。

スパイダーマンは地上よりも空中を移動することのほうが多いのですが、地上に降り立ってみてもそこには出歩く人たちの黄色い反応(たまにアンチからの反感)、人が運転する車の列、色とりどりな看板や中には漢字やハングルが目につく地域特色などが広がっています。

この手のオープンワールドにありがちなテンプレートはまったく目につかず、ブルックリンでは落ち着いた色合いの建物が並び、タイムズスクウェアではギラついた電光装飾が目立ち、セントラルパークには豊かな緑が広がっています。

この文化や生活が営まれている上をウェブスイングで縦横無尽に移動できるために、これまでのオープンワールドにはない類稀なる優越感を覚えられるのです。

 

「スパイダーマン」の空気感に満ちたキャラクター

スパイダーマンと言えば、悪と戦っている最中も軽口を叩く親しみやすさが人気の理由のひとつ。今作のスパイダーマンも例に違わず、移動中、戦闘中、ムービー中、どこでも喋くりまくりです。逃げている悪役に対してでさえ陽気な台詞を口にしながらビュンビュン追いかけ回り、強敵と戦っている最中も敵の能力やピンチにかこつけたジョークを言うので、心臓に悪い緊張感はあまりありません。ゲームをプレイしている最中は、こっちもスパイダーマンのように軽いノリでいられます。

だれに対しても親切なメイおばさんや、報道記者として大胆な行動に出ることもあるピーターの元カノのMJ、実験に明け暮れるピーターの雇用主にして師匠のDr.オクタヴィアスなど、多彩で個性的な登場術との会話も賑わいがあります。洋画でもよくある息のあった人たちの軽やかな会話は聞いているだけでも心地がいいです。

これまではこうした「会話」要素がオープンワールドゲームでは軽んじられがちで、プレイ中の大半の時間は一人で黙々と世界観に没入していく印象がありました。

発売後各方面で絶賛されている『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』はその典型で、シリーズで初めてパートボイスを採用した一方で、フィールド探索時のキャラクターの会話はすべてテキスト表示。故に会話パートも自分のペースで適当に読み飛ばすこともできます。シリーズ恒例だったミドナや赤獅子といった冒険の相棒も消滅し、口出しされずに自由に探索することができる設計になっています。

他には、オープンワールドゲームの総本山とも言える『グランドセフトオート』シリーズではたしかにキャラクター同士の会話は多いものの、会話の内容は犯罪に絡んでいるものばかりですし、キャラクターの性格を演出するというよりは、ミッション説明やその背景にあるギャングの勢力といった状況説明の比重が高かったです。3人主人公形式となりその傾向が緩和された『グランドセフトオートV』も相変わらずヤクだの殺しだのといった物騒なやりとりが多かったです。

スパイダーマンは、ミッションの合間にも電話でキャラクターとの会話が差し込まれ、スパイダーマンの役目を強く意識させる作風になっています。それでいて、あくまで自分の新年のために人助けをするヒーローであるため、刺激的な言葉や人を選ぶ表現というのはない万人向けな空気感になっています。

殺伐としていたか、あるいは閑散としていたオープワールドに比べるとキャラクターとの掛け合いにリラックスして耳を傾けていられる稀有なゲームではないかと思いました。

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スパイダーマンの王道に沿ったストーリー

このゲームはストーリーの面でもとっつきやすいスパイダーマンのヒーロー精神性を引き継いでいます。実写映画版に負けじ劣らないスペクタクルを提供しているのみならず、ゲームの中でスパイダーマンの話を持ち込もうとするアプローチが観て取れました。

元々はただの人間だったピーターがある日突然スーパースパイダーに噛まれたことがきっかけでスーパーパワーに目覚め、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という叔父のベンの言葉にも後押しされ、人助けのために使うようになる…といったヒーロービギンズについては、このゲームでは大胆に省略されてはいます。

今作のピーターは大学を卒業し、職を得て働く23歳。すでにスパイダーマンとして何年も活動しているゲームオリジナルの設定で、序盤から堂々と摩天楼を飛び回ります。

そうした経歴については、作中のカットシーンにおける顔なじみのキャラクター同士の会話や、探索パートにおける小道具、あるいはマップに散りばめられた収集要素のバックパック(ピーターの思い出の品)でさらりと説明されており、スパイダーマンファンにとっては心をくすぐられ、新規ファンにとってはスパイダーマン世界を垣間見れるように工夫がなされていました。

一方で今作で展開する物語もプレイヤーが長時間付き合うことになるゲームだからこそのアトラクションがミッション毎に設定されており、こちらも抜かりありません。

ゲームの第一面から、デカいビルに派手に攻め込んで巨大ギャング組織のボス フィスクと戦うという大盤振る舞いがなされ、最初からフルスロットル。

しかし、その後フィスクを打倒したことが原因で街のならず者のパワーバランスが崩れ、新たに台頭してきた謎の組織「デーモン」との戦いに身を投じていく…という粗筋の中、サム・ライミの『スパイダーマン(2002)』やマーク・ウェブの『アメイジング・スパイダーマン』に通じるピーターの人間臭い葛藤が展開。

2018年現在で最新作の『スパイダーマン: ホームカミング』においても、敵のヴィランを打倒する上で己のために踏みとどまるか、マンハッタンの平和のために正義を貫くかというピーターの心の揺れ動きが描かれていました。

スパイダーマンに不可欠な要素が今作のストーリーにもしっかり埋め込まれ、ピーターの大切な人が危機に晒され、あるいは悪に手を染めてしまう痛切な現実にプレイヤーは立ち向かっていくことになります。

しかし、この一見湿っぽくなってしまいそうなストーリーを緩和してくれるのが、これまで挙げてきた「自由に動き回れるマップ」や「個性的なキャラクター」です。どれだけ聞き的状況に陥っても、スパイダーマンはある部分では軽く、事態を息がつまるほど深刻にはさせません。また、メインミッションに疲れた時は、独りでに「寄り道」するというのも大いにあり。メインミッション開始地点に向かうまでにウェブスイングで移動するだけでも息抜きとなります。

原作寄りのメインパートと気軽かつプレイヤー主導の寄り道パートを組み合わせてストーリーを追っていけるおかげで、話の展開への束縛感は従来のムービーゲーに比べても薄まっています。

 

底抜けに気持ちがよく、程々にテクニックを要するアクション

ウェブシューターを用いたウェブスイングを中心にスパイダーマンのアクションが魅力的に再現されている点が大きな高揚感をもたらしてくれます。

単に格好いいというだけではなく、それがきちんとゲーム内の操作性や強弱バランスに結びついており、ゲームの頭から尻尾まで自分がスパイダーマンであることを忘れずにプレイできました。

 

簡単すぎるが奥があるウェブスイング

ビルとビルの間を飛んでいく無茶な動作を、このゲームはR2ボタンの押しと離しのみで行うことができます。

それでいて、その間のスパイダーマンは変化や緩急をつけながら糸を掴んでは離し、時にスピン回転やジャンピングを行うため、単調さがまるで見当たりません。

R2ボタンは『グランドセフトオート』では車運転時のアクセルに割り当てられていたように、プレイヤーが入力しながらスティックによる方向転換も兼ねられます。スパイダーマンは基本的にR2を押しながらスティックを傾けていれば空を勝手に飛んでくれ、かつビルと自身の対空位置に応じて姿勢と糸の射出方向を変えてくれるため、誰でも簡単にスパイダーマンを疑似体験させてくれるのです。

飛んでいる間に下から聞こえてくる喧騒や車の音、建物の間を飛ぶ時の風を切る音、落下時のスリリングな振動といったあたかもその場にいるかのように感じさせる環境音も機能し、空を飛ぶという荒唐無稽な夢を実にリアルに形にしてくれているだけでもこのゲームには多大な価値があります。

それでいて、簡単なゲームと割り切れるわけではなく、R2ボタンを話すタイミング次第で移動速度に違いが生じたり、○ボタンの急な方向転換で細かなショートカットを行えたり、×ボタンで局所的に加速したりと、プレイヤーの力量が現れる操作性にもなっています。

R2ボタンとスティックの簡単操作を軸にしながらも、スキルやレベルをアップさせてそれに頼るのもよし、やり込んで自在に操れるようになるのもよし、という振り幅を同時に配置しているため、プレイヤーのスキルを問わないし、一方で問うようにもなっているという作りがとても巧みです。

 

やっている内にスパイダーマン化していくようになる戦闘

スパイダーマンというと蜘蛛の糸や壁に張り付くといったトリッキーな能力がフィーチャーされる機会が多いですが、一方で戦闘能力上のスペックにおいてマーベルコミックのヒーローの中でも上位にいます。

骨折してもすぐ直り、常人なら死んでいるはずの打撃や高度からの落下にも耐えられる肉体の持ち主。また、超感覚の「スパイダーセンス」ですぐさま危険を察知し回避することが可能。もちろん膂力もあり、巨大な瓦礫を持ち上げるばかりか、暴走列車を食い止めることもやってのけています。

そんな彼の強さは、今作ではムービーパートで発揮される一方で、戦闘面においては難易度調整の名目上なのか、多少犠牲になっている感じは否めません。放っておくと四方八方から襲いかかってくるただのチンピラに殴り殺されてしまうのですから。

ただ、これは個人的には戦闘におけるスパイダーマンの個性を自然と浮き彫りにししているように感じました。

というのも、腕っ節が強く強靭な身体を持っているというキャラクターは古今東西のヒーローもの、特にアメコミでは、誰がどうみても飽和状態です。今更作る意義もありません。

そこで、今作はスパイダーマンというアイコンから連想される要素を活用できるゲームに作られています。

集団を相手取った戦闘では単に□ボタンを連打するだけでは打開できません。容赦なく複数で襲いかかってくる敵へのスパイダーセンスの反応に合わせて○ボタン回避するよう仕向け、ウェブシューターをはじめとしたギミックを用いれば有利かつ派手にゲームを進められるようにしています。また、最低限□と○ボタンのみでも完結できるものの、敵への接近のためには△ボタンを押すことで発動する糸を使った引き寄せや急接近でゲームスピードを早められます。

このように連打一辺倒の戦法を少し厳しめにすることによって、スパイダーマンの持つ個性をプレイヤーが自然と使うよう誘導しており、やっている側も無意識のうちにあれやこれや多彩な戦術を取るようになります。

雑魚敵を1発で仕留められるインパクト・ウェブ、範囲攻撃のウェブ・ボム、ステルス時にバレずに敵を仕留められる罠のトリップ・マイン、オートで敵にダメージを与えてくれるスパイダー・ドローンなど、用途がはっきりしており、プレイヤーの判断がすぐさまゲームの有利不利に結びつく要素としてうまく機能していました。ストーリーで必ず使用可能になる6種類のガジェットはどれも特徴が頭に残っています。

戦闘は単なる殴り合いのみならず、スパイダーマンの特徴を発揮しやすい場であると同時に、彼の動きにも見応えがあります。敵をダウンさせるフィニッシュ・ムーヴは、映画的なアクションを戦闘の中でスタイリッシュに披露してくれており、豊富なバリエーションと相まって視覚面での飽きがまったく来ませんでした。

プレイヤーにスパイダーマンの機能を使わせる戦闘バランスと彼が織りなす派手な技のおかげで、ほかのゲームにはないスパイダーマンエクスペリエンスができました。

 

結論: ゲームと密接に結びついたスパイダーマン

今まで自分が遊んだキャラゲーと言えば、キャラクターを尊重するが故にゲームのバランス面やデザイン面で綻びが出てしまっているものばかりでした。もちろん、キャラクターありきで発進したプロジェクトなので、それは自然なことなのかもしれません。

しかし、スマホゲームが台頭し、ライトな遊びが支持される現代において、それでもなおゲーム機を購入し、何十、何百、何千時間も費やす自分のようなユーザーにとっては、そのような「言い訳」は承服しがたいどころか、時として神経を逆なですることさえあります。

そこにきてこの『Marvel’s Spider-Man』。スパイダーマンという人気アイコンをゲームで再現しきるために、オープンワールドという膨大な面積・映画的演出を取り入れたカットシーン・スパイダーマンの個性を発揮するアクションシステムをストレートに作り込んでいます。最新ハードで表現されたマンハッタンの街並みはスパイダーマンと切り離して単体で見ても素晴らしい写実性と空気感を持っていますし、ムービーにおけるアクションやキャラクターの表情なども『メタルギアソリッドV』や『アンチャーテッド4』に準じた魅力がありました。

そこにキャラゲーだから、という妥協は感じられません。これをひとつのゲームとみなしても恥じないどころか、むしろ誇らしい迫力と体験が詰め込まれています。「スパイダーマン」という単語を聞いて、少しでも心が揺れたら買って損はないゲームです。

PS4の電源をつけ、コントローラーを握れば、誰でもスパイダーマンになってマンハッタンの平和を守ることのできる、夢のようなゲーム。それが『Marvel’s Spider-Man』だ。

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