『ボンバーマンジェッターズ』7・8話感想

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7話 ヒゲヒゲ団を追いかけろ!

雨の中車を走らせるバーディのアダルティーなモノローグからの幕開け。一方の本編は、本筋からは距離を置いたドタバタコメディ。この両極端なテンションの同居がいかにもジェッターズらしい。バーディは本編に登場しないので、いつもの単独行動である。

バーディの拾った乗客は聞き覚えのある声(BAR TOUKAのママ)だが、これが後々あのように繋がっていくとは放送当時は思いもしない。この回でもこの後、ヒゲヒゲ団ロボに休暇を促して騒動が起こっているので、話の動線がきちんと引かれていて一発ネタで終わらない。

小休止の回とはいえ、ヒゲヒゲ団に加えて、ネズミの集落などが登場し、1画面内で描画されるキャラクターの数が多いので、地味に描き手は面倒そうな回である。

今回、森林などの緑の風景が描写されるが、美術監督・坂本信人による画用紙に描いたような温かみのあるタッチは見応えがある。最近のアニメでは何もかもギラついた撮影処理を施されることが目立って、手書き風かつデフォルメを効かせた質感がすっかり希少になってしまっただけに……。

ロボットなのに(偽の)母親の説得に涙するヒゲヒゲ団。のちに出てくる妻子持ちのヒゲヒゲ団員といい、あまりにもその存在は謎に満ちている。

ヒゲヒゲ団員の休暇中にやってきて背中を洗わせようとするムジョー、上司としてはあまりに嫌すぎる。

 

8話 想い出の青いバラ

前回無断で宇宙船を持ち出していたことがバレて叱られたムジョーが、宇宙に一つしかないバラを「BAR TOUKA」のママにプレゼントするか、上司バグラーに献上するかの板挟みに合う回。ムジョー役の石井康嗣による渋くて太い声から繰り出されるコメディアンぶりが遺憾無く発揮されている回の一つと言っても過言ではない。

シャウトがシロボンを一発入れようとするところでOP突入しAパート冒頭でたんこぶを抱えるシロボン、Aパートで飛ばされたベアボンバーがBパートでしれっと戻ってきている等、テレビアニメらしい編成を活かした省略芸が行われている。こういうギャグって原作再現や配信をトレンドとした今のアニメーション作品ではなかなか希少に……。

不遇な描かれ方なベアボンバー。熊をボンバーマンにって強くて然るべきだと思うんですが、一発もボムを投げさせてもらえないばかりか、いきなり家族団欒なところにビームを打ち込まれて、シャウトを助けようとしたらボコられ、ムジョーを助けようとしたら裏目に出て、本領発揮の場もなく元通りというあんまりな扱い。次の回に出てくるカモメボンバーが不遇キャラという個性で複数回出番を貰っているのを考えれば、真の不遇ボンバーマンはこいつではなかろうか。

一見すると本筋はほぼ進んでいないように思われがちだが、花にまつわる話題に、その花を愛でるとあるキャラの様子を描いており、実はこれが後々の重大な事実に繋がってくる。張られた時は気づかず、後になってそうだったとわかる点で、これぞ伏線と言える巧妙さ。

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