『ボンバーマンジェッターズ』38・39話感想

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第38話 大発明を守りきれ!

マイティが失踪した時、探しに行くと泣き喚くもボン婆さんに引き止められ、結局行かなかったことを悔やむシロボン。彼は26話で一度死を受け止めた。しかしだからといって残った後悔が綺麗に消化されるなんてこともなく、ある時急に思い返してしまう心の動きは非常にわかりやすい。

マックスの生存を知り、彼への復讐心を再び滾らせるシロボン。そんなシロボンの様子を憂慮し、マックスの破壊された機体が見つからなかったと報告を受けるアイン。前回モモちゃんの映像を裏取引しようとしていたとは思えない敏い先回りをしていたり、天才と称されるガスケッツの元上司と判明したりと、今回はギャップのある活躍を見せる。

ゼロが出てくる時に用いられる切なげなピアノのBGMは、2クール目までの楽曲を収録したサウンドトラックには収録されていない。他にも3クール目以降で印象的なサントラがあるだけに、正式に音源を収録したソフトなり配信なり出してほしいのだが、昨今のボンバーマンジェッターズがサブスクすら解禁されてない事情を考えると、望み薄か…。

ゼロのフラッシュバックに高笑いするメカードの姿が映り込む。メカードはヒゲヒゲ団内部で秘密裏に企みをもって行動していたことが発覚。ゼロがミスティの元から去った後に、メカードは機体を修理し、マックスが復活。ドクターアインの元助手ドクターガスケッツの発明した超小型ワープ装置をめぐって衝突。

バーディが整備士にゼロの頭脳は「機械だったか、それとも」と尋ね、事もなげに機械だったと返答された時の反応は、何かの望みを彼なりにもっていたことを窺わせる描写である。冒頭のシロボンの回想と同じで、彼もまた傷跡は癒えていないのだとわかる。

ツバメボールボンバーが今回の合体ボンバーマン。翼をもったキャラの必殺技がフレンドボムで、ボールに見立ててシュート。しまいにはボールイズフレンドと叫んでいるのでアレでしかない。しかし、小型装置はラグビーなのでサッカーのルールを無視され、手でのパス回しで翻弄される間抜けぶり。しまいにはムジョーが奪い返したのに破壊してしまい、直後に爆散。何がとは言わないが、合体ボンバーマンの中でも下から数えたほうが早い。

バーディの助太刀により超小型ワープ装置を守ることには成功するも、復活したマックスとのボムの力比べでは敗れてしまったシロボンは以前にも増してその復讐心を燃やすが…。

 

第39話 疑惑の健康診断

メカードはマックスを復活させ独断で行動していた件を秘匿し、偽の健闘診断でヒゲヒゲ団のロボ達を洗脳するなど、メカードが完全に総統バグラーの思惑を外れ、自らの企みを本格化させていく。3クール目ラストだが、1、2クール目の締めの回(ジェッターズの出張大型任務、マックスVSジェッターズ)とは異なり、ここまでの情報をバーディの口で整理し、いよいよクライマックスを迎える4クールへの繋ぎに徹した嵐の前の静けさとも言える回になっている。

シロボンはマックスに対抗する力を身につけるべく修行に出るも、マックスへの仇討ちを動機にしているが故に「ボムの力はボムに在らず、心に在り」の教えを逸脱したまま。この考えから抜け出せない限りまたマックスと対峙しても勝てるべくもないのは、ここまで番組を追ったのなら当然理解できるだろう。

部下に言われ仕方なくメカードの部屋を覗く時に謝るムジョー。そういえばムジョーはかつてマックスに出し抜かれ、自らは没落していった時も部下から指摘されるまで気づかないという一面があり、ジェッターズのヒール役でこそあれ、人をむやみに疑う性分ではないのだ。

これまで1〜2クール中にバーディが独自の動きをしている機会が多々あり、前回もドクターアインに調査の報告をしていたように、彼が視聴者目線での空白期間に何をしていたのかがここで語られる。

バーディは2話でシロボンと再開した時には落ち着きを取り戻していたように見えたものの、実のところマイティが失踪してから半年の間、ジェッターズを放棄し、彼の消息を追って放浪していた。情報屋のナイトリーは、荒んでいたバーディにちゃんと飯は食ったのかと声を掛けるもバーディはそれを素直に聞き入れない。去り際に、マイティは綺麗好きだったぜと告げるこの情報屋はバーディがマイティの言うことなら聞き入れるのだろうとみてそんな言葉をかけたに違いなく、キッズ向けアニメで流していい域を超えた、男(情報屋の男)による男(失踪した親友)を介した男(親友を求めるあまりセルフケアできなくなった男)への粋な気遣いを目の当たりにさせられる。ものすごいアニメだ。

この回想シーンで流れるゼロのテーマ曲は、バーでかかるジャズピアノにも聞こえる入りから、アインとの会話を経て、シャウトの加入で新しく生まれ変わろうとしているジェッターズのシーンで速いテンポに転調、そしてシロボンの登場で音色が静かに消える。これが意図した演出なのかは自身がないが、このシーンのテイストに非常にあった音になっている。

ところで、これまでの描写ではヒゲヒゲ団はジェッターズとの戦いを演じ興じる組織と思いきや、宇宙保安局なる公的組織が手を焼いているというニュース映像が劇中で流れるので、やっぱり宇宙の一般市民からも大規模窃盗集団とみなされていることに違いはない模様。アインはメカードがヒゲヒゲ団を乗っ取ろうとしていることに疑問を呈しつつ「あんなもの(ヒゲヒゲ団)を乗っ取らなくても、自分で新しく始めたほうが楽」と述べてはいるが、これは活動内容が専ら窃盗(しかもバグラーの享楽のため)だからだろう。

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