『ボンバーマンジェッターズ』9・10話感想

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9話 宝島を目指せ!

宇宙に一つしかないセーラー服を着たフィギュアヘッドとかいうなんのために欲しがっているのかよくわからない物を巡ってムジョーとジェッターズが対決。便利な情報屋・ナイトリーも初登場。

いつも通りの任務回と見せかけて、ヒゲヒゲ団内部で不審な動きがあることが明かされ、ジェッターズ任務の裏でバーディが独自に調査している様子も描かれるなど、いつもと違うシリアスな気配も漂っている。

自家発電用のサイクルを漕いで潜水艦を動かすヒゲヒゲ団。タイムボカンの三悪やポケモンのムコニャの系譜だと思うのだが、ゼロ年代まででこの手の悪役描写はすっかりみなくなったお約束である。

同じ場面でずっといじけ続けるシロボンのカットはアニメーターの負担削減の意味もあるのだろうが、しかしシーンとしては、とてもおもしろい変化球になっている。ジェッターズが安定したクオリティで毎週届けられていたことの理由に、枚数に頼らない演出が色々駆使されているのもひとつあるのだろう。

飛行能力に加えて、ミサイルボムという対空攻撃手段も持っているはずが一撃も入れられずに退場するカモメボンバーの不遇ぶり。しかしこればかりは相手が悪かったとしかいいようがない。

突然現れたマックスに手柄を取られヒゲヒゲ団内でどんどん立場を危うくするムジョーに、不敵な笑みを浮かべるメカードと、敵勢力内で変化の兆しが。ジェッターズの魅力的なところに、ヒゲヒゲ団内部の事情も丁寧に描かれているところがあり、「ボムスターを目印にしたシロボンの成長」「失踪したマイティの行方」(←マックスがもしや?)という作品の主軸と同じくその動向で楽しませてくれる。

 

10話 夕焼けのボムスター

宇宙盗賊ミスティの初登場回。ミスティはここから後半まで出番はお預けだが、ここで一旦シロボンに2個目のボムスターを与える役があり、物語も大きな節目を与えている。ミスティの声は松本梨香氏が務めているが、世代的にはポケモンのサトシで刷り込まれているために、この乙女チックな役どころはとてつもなく新鮮。

バーディが自力で飛行してミスティとシロボンを救出。今までコメディ色の強いヒゲヒゲ団との争いに混ざらなかったバーディだが、本気を出せば勝負にはならなかったのだろう。後のエピソードでムジョーがバーディが戦闘に参加すると知って焦るのも頷ける。それにしてもシロボンの掴み方よ。

ミスティは、初対面のシロボンが(見かけた時は動揺しても)マイティの弟とは気付かないが、2話のシャウトといい、この世界でのボンバーマンは色が被ってて激似でも血縁者とはみなされないのだろうか。現実的に、昔の知人と背格好が縮んだだけで同じ格好の人と知り合ったら疑いそうなものである。

宇宙盗賊との間で地図を交渉材料に食糧との取引を持ちかけ、貸し借りを律儀に守るシロボンはなかなかに任侠の素質があるのかもしれない。地割れに飲まれそうになるミスティを助ける際の言葉が荷物を運び終えてないというのも口実なのか天然なのか。

マイティの過去が明かされる回でもあり、そこではシロボン視点で立派に見えたマイティの意外にも天然な性格を見ることができる。冗談だったとはいえ、ミスティに面と向かって君を追いかける理由がなくなっちゃうだろと口実を述べるマイティは天然ジゴロとしか言いようがない。

兄弟の符号を背景に、シロボンが2個目にゲットするボムスターが、マイティを知るミスティから与えられるのは、必然性を持って受け止められる。続く11、12話は前後編で1クール目らしい任務の拡張版になっているが、シロボンの成長劇としてはこの10話が1クール目の締めくくりとも言える。

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