こんにちは、ワタリです。
今回は誰もが知る大作SF映画スターウォーズの
ナンバリング第8作目「最後のジェダイ」をネタバレ全開で振り返ります。
65/100
一言あらすじ「衝撃の連続」
今作は事前のPRでは「衝撃」という言葉を以って
作品の魅力についてネタバレを避けつつアピールしていました。
日本でもキャストや監督が登壇するプレミアが開かれ、
そこでは上映が行われず、やはり作品内容についても
関係者達は語らないよう厳重に気を配っていました。
(これは2年前の「フォースの覚醒」プレミアでも同様)
こうなってくると、前作でうたれた布石の数々や、
公開されている予告映像の台詞やキャラクターの所作から
展開を予想するしかないわけです。
これは広報の戦略として、ファンの間での議論が活発になり口コミ等で盛り上がる一方で
作品内容についてハードルがあがってしまう危険性も孕んでいます。
そのあたりは自分も心配していました。
生半可な展開だったら許さんぞ、という人もいたに違いありません。
しかし、鑑賞してみて、自分が設けていたハードルは飛び越えていったと思います。
今作はたしかに衝撃的な展開に満ちていました。
前作「フォースの覚醒」の目的のひとつには、
行方知れずだったルークの居場所を突き止めることがありました。
ラストも、レイが老いたルークと対面する場面で幕を閉じており
本作はまさしく時間的には間隔のない「直後」からのスタート。
ルークスカイウォーカーが何故消えたのか?
前作で流れた「瓦礫から這い上がるルーク」のカットの意味は?
レイとどんな師弟関係になるのか?
そもそも彼の目的とは?
様々な憶測を思い巡らせながら、いよいよ本作で本格登場とあって
大きく期待して、鑑賞したわけです。
物語の立ち位置としては「帝国の逆襲」におけるヨーダに近いものでした。
ひっそりと暮らしている所に新世代のジェダイ候補がやってくる
というシチュエーションは言わずもがなオーバーラップしますしね。
予告編でも、ライトセイバーを振るうレイの姿や
フォースを感じるレイに言葉を投げかけるルークが出ていた事から
ヨーダのように修行を課すのだろうかと思っていました。
が、レイにライトセイバーを渡された後の反応はまさかの拒絶。
何やら訳アリといった様子で、反乱軍への協力要請も
レイへの指南も拒みます。
このパートは、結構会話劇中心ではあるのですが、
ルークがハンソロの死に気付いてただならぬ様子に変わったり
R2が「新たなる希望」のレイアのホログラムを見せてルークが懐かしい表情を浮かべたりするのは
とてもいいショットでした。
マーク・ハミルは見た目は厳かな老年になっていましたが、
あのシーンの顔はかつてのルーク・スカイウォーカー青年を思い起こさせる
すばらしい演技でした。
どうしても言う事を聞いてくれないルークを追いかける中で、
島の生態や彼の暮らしぶりが明らかになるシーンはけっこう面白かったですね。
自分はこのシーンを観て「一見素っ頓狂に思えるトレーニングを課して弟子を見事に上達させる」
ベストキッドみたいな修行パートを期待しました。
足場の悪い崖を飛び越えて魚を採ったり、
海岸にいる生物から搾ったゲロマズそうなミルクを飲んだり
まさかレイもやらされるのかと思いました。
まぁそんなことはなく、
フォースやジェダイに関しての説教や
ルークが島に引き篭もるようになった原因に時間の大半が費やされ
レイがルークから教えを受けるシーンはあまり描かれませんでした。
このせいであまり見た目としては面白みに欠けるパートになってしまったかな…というのが
自分の率直な感想です。
レイが次の行動を起こすきっかけとなったカイロ・レンとのコンタクトも
彼女たちがルークには知られず独自にやっていたことです。
会話が積み重なる事で「ルークこそレンが暗黒面に堕ちるきっかけを作った」という
事実が明らかになるわけですが、
同じような映像が3回もこのパートで流れるため、このあたりもちょっと退屈さに
一役買ってしまったように思います。
予告でやっていたライトセイバーの修行はほとんど自主練習でしたし、
いかにも重要なアイテムそうに出てきたジェダイの書物も
全容がわからぬまま燃やされてしまいました。
師弟関係と呼べるほどのことも、よくよく考えるとやってないんですよね。
書物に関してはヨーダが「書物に書かれている知識は重要じゃない」と言っていたので
そういう扱いなんだと思いますが、
前作でフォースを覚醒させたばかりレイが帝国のプレトリアンガード複数を倒せるレベルに
なっていたのはやはり釈然としません。
このパートは振り返ってみると意味深長なセリフや静的なシーンばかりでした。
「レイの出自」「レンのダークサイドへの転換」「ルークの心変わり」など
けっこう重要な情報が含まれているけど、見せ方がおとなしすぎたな…と思います。
派手なシーンはファーストオーダーVS反乱軍に任せる事で
パート毎にメリハリをつけたい狙いがあったのでしょうが、
反乱軍のほうは、それはそれで色々問題点がありました。
この映画は始まった途端、
「ファーストオーダーの脅威に晒される反乱軍」という構図を提示し
それを最後まで通していました。
このあたりの画はやっぱり迫力満点で、銀河を舞台にした戦闘をやらせたら
スターウォーズの右に出るものはいないなぁと思わされましたね。
ポーは前作だと台詞上は「優秀なパイロット」とされていましたが
今作では出番も増え、キャラクターの内面も仕上がってきました。
初っ端一機で敵の艦隊に近づくポー。
絶体絶命の状況ながらハックス将軍を小ばかにする余裕を見せ、
まんまと猛撃をかわして、ドレッドノートに大損害を与えます。
作戦は成功しましたが、この過程で反乱軍側は甚大な被害を出してしまいます。
その犠牲者の中には、今作の新キャラクター ローズの姉もいて、
これが後に彼女がフィンとポーの考え出した秘密裏の作戦に加わる動機となります。
ファーストオーダーの艦船は反乱軍の司令船の居場所を特定できる探知機があり、
このままでは殲滅されてしまう恐れがある、という
シリーズでもかなり切迫した状況が続きます。
終始不利な戦況の中で、フィン達が苦境を打破するための作戦を敢行するというシナリオは
うまくいけば緊迫感を持って描くことができたのだと思います。
しかし、個人的にはその目論見はあまりヒットしていないように映りました。
というのもその作戦の合理性も計画性も観客に伝わってこなかったからです。
まず、作戦概要を大雑把に要約すると
「残された猶予が少ない中、
探知機にアクセスするためのコード破りをとある惑星でハンティングして
ファーストオーダーの艦船に潜入。
フィンが探知機の場所まで案内し、装置を一時的に停止させて、反乱軍の艦隊を逃がそう」
ということなのですが、書いていて突っ込みどころが2、3個は浮かんでくるんですよね。
「マズカナタがコード破りの居場所を教えてくれたけど、(その日はカジノに来てないとかで)運悪く会えなかったらどうするの?」
「ファーストオーダー艦船のセキュリティ緩すぎない?」
「反乱軍逃がした後はフィン達はどうやって脱出や合流をするの?」
といった疑問は、観ながら考えてしまったのですが、
実際に作戦が進行していくとこれ以上に行き当たりばったりで面食らいました。
まずカジノの惑星でのハンティングは、駐車違反だったから逮捕されて失敗。
地味にスターウォーズ史上最も間の抜けたドジやらかしていて、
前作でハンソロがフィンに対して言った「銀河の命運がかかっているんだぞ?」という
台詞をそっくりそのまま投げてやりたい気分になりました。
あっけなく投獄され、プロムをつけたコード破りとも接触できないという状況下。
「まぁそれでも切り抜ける過程を魅せるつもりなんでしょ?」と思っていましたが
これも期待を裏切られました。
たまたま同じ牢屋にいた別のコード破りに解錠してもらって脱獄って・・・
この男DJは奇妙な喋り方をしていてただならぬオーラを漂わせているんですが、
彼がやっていることも、物語上の役割も取ってつけた感に溢れていて
脚本の粗さを象徴するようなキャラクターになってしまっているのが残念。
脱獄を手助けしてもらったのにフィンとローズは別行動をとるし、
カジノを荒らしまわった挙句に、たまたまDJと再会。
しかもオマケに惑星から脱出できる船までゲット。
ここまで行き当たりばったりと形容してピッタリはまる状況も珍しい。
この惑星のパートでは富豪たちがマネーゲームに勤しむ最中
奴隷的に働かされている子ども達を出し、
反乱軍とファーストオーダーが得ている武器のソースが提示することで
「反乱軍が何のために戦っているのか」「戦争が抱えている問題点」を
観客に提示しようとしていたんだと思います。
しかし、展開が雑すぎるのと、考える間もないまま性急に進んでいくため
このあたりで語られている本質的なメッセージが蔑ろにされているぐらいに思えました。
もっと計画性のある話運びにして、じっくり語って欲しかった…
こうして運良くコード破りを雇い、ファーストオーダーの艦船へ。
相変わらずすぐに潜入することができました。
…ファーストオーダーのセキュリティ甘すぎませんか?
破壊工作員に潜入されるのは100歩譲って見過ごせるとしても、
「最後のジェダイ」は「フォースの覚醒」の直後の話のわけで、
脱走兵フィンが原因で前作基地を爆破されたのに何の対策も施された様子がないっておかしい。
潜入パートでDJは、
前金として受け取っていたローズの姉の形見を彼女に返す描写があります。
怪しい人間であったDJが、行動を共にしていく中で気を許してくれたのかな?
と思わされましたが、結局は金に動かされ、反乱軍を売ってしまいます。
そしてその後の出番はありません。
何のために登場させたんだ…と全力で思いました。
さりげなく彼が雇われた事で、マズ・カナタが言っていた本物のプロムの男は
存在が流されてしまっています。
彼は一体なんだったの?
このように登場キャラクター、及び脚本が行き当たりばったりに思える話運びが、
フィンとローズの作戦遂行部分に凝縮されています。
このあたりは、見ていて単純に退屈だったし、
フィン達はこれを通して成長したか?と言われると
非常にわかりづらい部分でしか変わっていないので釈然としませんでした。
ローズはフィンに恋愛感情を持っていたというオチに関してもやはり不満。
最初に会ったときはフィンが脱走すると勘違いして攻撃的な態度をとっていました。
そこから作戦を通して、絆を結んでいく流れを組みたかったのだと思います。
しかし、作戦中、二人が互いのパーソナリティに踏み込む描写が薄いため
あのオチに繋がる材料が不足しています。
フィンが姉の形見に関してDJに「彼女に返せ」と迫っていた部分は、
もっとうまくやれば異性として意識し始めるキッカケになったのでしょうが
生憎作中ではDJが返してくれるので、
じゃあどこのタイミングでローズは好意抱いたんだよ…となるわけです。
ファーストオーダーと反乱軍の戦いには画面に迫力はあっても、話に中身がない。
既に多くの方がご指摘されている
「ホルド提督がもっとちゃんと説明していればポー達は先走らなかった」という問題についても同様。
ポー、フィン、ローズによる探知機停止作戦はそもそも不要で
惑星クレイトに旧基地があるのでそこへ逃げ込むために時間を稼ぎさえすればよかった。
にも関わらず、特に説明がなく、事態がこんがらがったというのは
やっぱり納得いかないでしょう。
恐らくは「ホルド提督は実はいい人でした」をやりたいがために説明を敢えてさせず、
尚且つ「ホルド提督が身を挺した特攻をしかける迫力の映像」をしたいがために、
クレイトに逃避するまでの話は組まれていたのではないかと思うのです。
ホルド提督による自爆特攻はたしかに、映像としてセンスの良さが冴え渡っていました。
あの自爆を通じて、「互角に渡り合うレイとカイロレン」「絶体絶命のフィン達」
「次々と追撃される反乱軍の脱出船」の3視点に解決の糸口を与えられたのは
群像劇の構造としてはカタルシスがあります。
しかし、ですよ。やっぱりこのシーンについても気になるところはあるわけで、
ハイパースペースを備えた船があるのならその可能性については
ファーストオーダー側も注意しておくべきですし、
そうでなくとも敵の船なのだから即刻差し押さえてしかるべきでしょう。
逃走する船に全注意を行き渡らせて、結果として痛手を負うまでに、
ファーストオーダーなりにきちんと考えていることを示して欲しかった。
まぁハックス将軍が能無しなんだと思うのですが
その無能が音頭をとる組織と、音頭をとらせるリーダーが一気に陳腐になってしまうんですよね。
ファーストオーダーと反乱軍の戦いは全体的に詰めが甘かったです。
とにかく迫力やスケールがあれば、映画は面白いわけじゃないんだなと
改めて思いましたね。
レイとの会話を通じて、
光と闇の間での迷いを感じさせるレン。
今作で一番成長したのはレンなのではないかと思います。
前作で父親を殺し、ライトサイドへの誘惑を断ち切ろうと試みたレン。
しかし、レイに敗れ、スノークにも咎められ、
いよいよ後に退けなくなり、母親のレイアすらも手にかけようとします。
トレイラーにも収められている当該のシーンや、
マスクを壁に叩きつける場面、レイとの共闘、ルークとの対決に代表されるように
今作ではカイロ・レンに感情を動かされることが多かったですね。
この映画でセンチメンタルな気分になったのは
レイとの共闘で、ここで彼らが手を取り合って共通の敵を倒す様は
格好良かったですし、アクション面での動きもキレが良い。
カメラワークや武器の使い方も斬新で、
今まで見たことのないパターンを見ることができました。
二人で背中を合わせて戦い始める瞬間がスローになったり
レイがライトセイバーをカイロ・レンに飛ばして敵の頭を貫くカットは、
とてもクール。
ダークサイドとライトサイドのジェダイが共闘するというシチュエーションも
斬新ですし、その後やはり道を違えてしまうことにより
カイロ・レンの行く先が印象的に決定付けられるのがすばらしいです。
「全てを終わらせる」ために、ファーストオーダーの長スノークを殺害し
レイをも引き込もうとするし、かつての師であるルークにも強烈な怒りをぶちまける。
前作ではマスクを被り、祖父のヴェイダーになろうとしていたわけですが、
ここへきてマスクを捨て、迷いもなくなりました。
ジェダイやシスのような光と闇の対立を終わらせるべく銀河を手中に収めようとする
そのキャラクターの変遷は、なかなかに新鮮でしたし、
これからの彼にも注目したいと思わせるほどのものでした。
惜しいのは、やっぱり脚本の詰めが甘いところであり
スノークに対する叛逆は描写が少ないのでかなり急に感じましたし、
スノークが死んでしまった事により「いかにしてダークサイドへ堕ちたのか」の
過程がすっぽ抜けてしまいました。
レンの持つ危うさはルークが語っていましたが、
孤島のパートは地味だったし、台詞のみで納得しろと言われても難しいです。
唯一映像で可視化された「レンの寝首をかこうとするルーク」は皮肉な事に、
ダースシディアスと重なる行動でしたが、
もっと他の部分も映像にしてほしいと思いました。
そのため、ルークとレンの対立もちょっと受け入れがたい。
クレイトでの対決も展開的には、とても巧妙で唸らされただけに
もっと因果の「因」、起承転結の「起」を映画の中でやってほしかった。
そうすれば本当に衝撃的だった「スノークの殺害」と「ルークによる翻弄」が
グッと強いカタルシスになりえたのになぁと思わずにいられません。
今作で気になって仕方がなかったのが、「フォースの扱い」です。
- レイアがフォースの力で宇宙空間から生還
- 零体のヨーダがフォースライトニングで現世に干渉
- ルークがフォースで分身を作り出し、遠隔操作
「フォースとは万物に流れるエネルギーであり、ジェダイはそれを操ることができる」
という考えは一致しています。
フォースで出来ることは、細かく分けると色々ありますが、
作中で頻繁に用いられるのは、物体操作と心理操作です。
エピソード1「ファントムメナス」においては
「体内に含まれるミディ=クロリアンの量がフォースの強さを決定する」ことが語られていましたが、
フォースの解釈は基本的に拡大することはありませんでした。
ところがどっこい、今作では
旧作では殆どフォースを使用していないレイアが使用し、
口出ししかしていなかった零体のジェダイが攻撃を加え、
ルークに至っては(実体を持っていませんが)実物を完全にコピーした物体を生み出しています。
これらは今までの解釈でいくと「反則技では?」と思えてくるのです。
レイアが宇宙から生還したシーンは、画がシュールだったこともあり、
余計に違和感が増長されました。
スイーっと船の入り口にスライド移動していくし、
入り口を開けたら艦内の空気が流出してしまうのではないかと思ったのですが、
細かい事気にしたら負けのようです。
更に不満なのは、この衝撃的なシーンについて作中全く説明がなされないということ。
反乱軍の人たちも「奇跡的に生還した」ぐらいの扱いで終わらせてしまい
はっきりと言葉の上でメカニズムが語られることはないのです。
「フォースの力で助かったんだ」と納得するほかなく、
それができる人はいいんですが、できない人は引きづられること間違いなしでしょう。
自分はどこかの媒体で補完してくれないかなと思ってます。
二番目に、ヨーダが間接的にとはいえ物理干渉を行ったことが引っかかりました。
ジェダイの古い書物が収められた建物を雷で燃やしてしまいますが、
「これが出来るならファーストオーダーやっちゃってくださいよ」と言う人、絶対出てきますよね…。
シーンの中では過去のしがらみに囚われたルークを諭すために必要な措置だったと思うのですが、
例えば書物を燃やしてしまう幻影を見せるとかで留めた方が自然に出来たんじゃないかな。
最後に、最大の見せ場であったカイロ・レンとルークの戦いの場面。
このシーンよく見るとクレイトの地面が塩で覆われており、
人が上を歩くと赤土が露出します。
ルークは当然零体なので、地面に足跡はつきませんでした。
物理的な攻撃ももろともせず、レンからのライトセイバーの攻撃も
うまいこと避けて零体であることを巧妙に隠していました。
このシーンはルークが物理的な動きでも軽くかわし、
師としてかつての弟子を宥めることで精神性においても上を行き
更には、実はレンを騙していたという「高み」の演出として
最高だと思いました。
しかし、よくよく考えると「何故零体であの場へいったのか?」
という部分で納得できる描写がありませんし、
結局死んでしまうなら零体で向かった意味とは何だろうと思うのです。
もっというと「フォースの力で分身作れるってなんじゃそりゃ」と
悪い意味で後出しジャンケンを仕掛けられた気分になりかねません。
作中ルークがあのような措置をとった伏線や布石の類も、
孤島のパートで出しておくべきだったかな、と思いました。
こうした議論はいくらやっても「作り手がそういうんだからそういうもんだ」と
納得するしかないわけですが、とにかく自分がここで訴えたいのは
「脚本の詰めが甘いから納得できない」ということです。
とにかく奇異で衝撃的な展開を入れるばかりが映画、および作品ではないと考えていますし、
「最後のジェダイ」はまさしくそういう穴にはまってしまった映画なのではないかと
いうのが自分の結論です。
たしかに、シーンをそれ単体で切り取ってみるとクールでハイセンスな仕上がりです。
ホルドの自爆特攻、フィンとファズマの戦い、レイとカイロ・レンの共闘、カイロ・レンとルークの対決等は、
本当に画は格好いいし、そのシーンの中でのキャラクターの心の動きを探ると
こちらにも心にくるものがある。
でもやっぱりそのシーンに至るまでの「積み重ね」が不足していると言わざるをえない。
本当に惜しい映画だと思います。
色々辛く当たってしまいましたが
スターウォーズらしい迫力満載のビジュアルやライトセイバーの魅力的なチャンバラは
きちんとルーカスフィルムの技術力と資本力で表現されているので
見て損はないでしょう。
しかし自分の中ではシリーズの中で格付けしたとして、
残念ながら上位に位置づけるほど高評価の作品にはなりませんでした。
リピートは恐らくしますが、大作故の考察目当てという部分が大きく
素直に面白から何度でも見ちゃう!という映画ではありません。
上映時間が150分もありますが、2回目はけっこうしんどいと思います。
もうちょっとコンパクトにまとめてほしかったかな。
ライアンジョンソン監督は新たな三部作も担当されるとのことなので、
脚本の整合性をもっと見直してくれれば、
本当にいい仕事をすると信じてます。
そんなわけで、ここまでお読みいただきありがとうございました!
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