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こんにちは、ワタリ(@watari_ww)です。
今年もあっという間に終わり。思えばこの1年は、ゲームに映画に明け暮れていました。
今年3月にNintendo Switchが発売されたことでスマホゲーに奪われつつあったゲーム熱は久々に高まっています。
「ゼルダ」「マリオ」「スプラトゥーン」などの新作で攻勢を仕掛けていた任天堂。
今回レビューするゼノブレイド2もその戦略の駒のひとつでしょう。
自分はプレイしていませんが、ゼノブレイドとゼノブレイドクロスについての高評価や成功については耳に挟んではいました。人気シリーズの最新作が最新機器で出るというので、 シリーズ未経験の自分も興味をひかれたわけです。
購入の決め手は、実にくだらないかもしれませんが、、、女の子キャラクターが可愛い!ということと、PVで覗いたおよそのストーリーと世界観が、近年稀にみるぐらいど直球の王道のファンタジーであったことです。
事前に仕込んでいた知識もその程度で、戦闘やシステムといったゼノブレイドシリーズの共通項はまるで知りませんでした。
現在プレイ時間35時間、第6話までの時点ですが、率直に思ったことを記していきます。
単刀直入な感想は
「大変満足!あとは細かい部分を直してくれれば…」と言えます。
ストレートに可愛い、格好いいキャラクター
まずコレ。ストーリー性のあるゲームをプレイする際に自分が最も気にするのがキャラによる掴みです。
ゼノブレイド2の主人公レックスはセリフがあって、声優が演じています。語る主人公である以上、彼のことを受け入れられなかったら最悪。逆に、受け入れられたらグッと作品に引き込まれる。
自分はレックスというキャラクターをとても気に入りました。製作者の方の発言を拾うと今作は「ボーイミーツガール」をテーマにお話を組んでいるようなのですが、主人公の少年としてはクセがなく、常に前向きで、ガールのホムラを引っ張ってくれます。
最近の「なろう系」だとか「やれやれ系」だとか変にクセの強い主人公が出てくる作品に比べても王道をいっている分の安心感がありますね。
彼は、少年でありながらサルベージャーとして生計を立て、
故郷に仕送りもしているぐらい自立しているし、社会にも通じています。話のリード役としても世界観の説明役としてもサクサクと役目を果たしてくれるので、頼もしさすら感じるほどです。
声優の演技にしても、真っ直ぐな少年らしさを表現してくれているので、聞き心地が良い。
こう書いていくと、本当に今時珍しいぐらい王道中の王道をいく主人公だと思います。
発売前に「この子、可愛い」で自分のお財布を開けさせた
ホムラも魅力十分。
母性に溢れたオーラでレックスを見守ってくれるだけではなく、きちんと隙や抜けた部分を見せてくれて親しみも覚えられます。普段の時とシリアスな時とで見せる表情も違いますし、アニメチックなコミカルな反応も素直に可愛いと思います。
色々と謎に包まれている人物ですが、もっと彼女のことが知りたいという好奇心がストーリーを進める上でのモチベーションになりますね。
CGモデルの完成度も高く、アニメのキャラクターのように動き喋るのはフォトリアル調のゲームとは別方向の感動がありました。
声優の下地紫野さんのお芝居もホムラの魅力を高めるのに大いに貢献していると思います。彼女はホムラのもうひとつの人格ヒカリも担当しているのですが、声そのものを変えずして、性質の違うキャラを演じ分けており、お見事。
「ボーイミーツガール」であるストーリーにおいて、ヒロインの魅力はとても大切ですし、敵の魔の手から守り抜こうというレックスの気持ちにも説得力を持たせなければなりません。ホムラはそうしたハードルは超え、自分はとても入れ込みました。
難点はやっぱり露出過多なところで、率直に言って茶の間ではプレイしずらいです。バストサイズは露骨に大きいし、腰や脚などを露わにした衣装デザインはぶっちゃけ必然性を感じません。
自分は許容できましたが、レックスに対しての至れり尽くせりな態度の良さも、人によっては気になるでしょう。 良く言えばこちらの期待は裏切らないが、悪く言ってしまえば都合のいいヒロインに感じられても仕方ないです。
他にも猫耳娘のニア、礼儀正しい獣ビャッコ、ノポン族のトラ、人工ブレイドのハナ等、個性に溢れたパーティで壮大な世界に繰り出して冒険できることが満足度の高さに直結しています。
冒険の合間合間に賑やかな会話をしてくれて退屈はありませんし、戦闘中、戦闘後のやりとりにもきちんとキャラに沿ったセリフを言ってくれるので没入感が高いです。
冒険の途中で出会う人たちもそれぞれ目的意識が明確で、キャラが立っているので行く末に注目したくなります。
このように魅力的なキャラクターがリードしてくれるおかげで、自分はゼノブレイド2の作品世界に楽しみながら浸ることができました。
奥深さと爽快感を兼ね備えた戦闘
前にプレイしたFF15があまり自分好みではなく
似たシステムだろうと思っていたゼノブレイドにも不安がありました。
実際やってみると思ったよりアクション要素は薄く驚きましたが、
常に攻撃が続く派手さといかに行動するかの戦略性が合わさった良い塩梅の戦闘システムだと感じました。
オートアタック→ドライバーアーツ→必殺技→ブレイドコンボ→チェインアタックと繋げていくと見栄えのいい演出やエフェクトがかかる上に大ダメージに繋がるので
やりがいがあります。
↑コンボを成功させると演出が入り、大ダメージ
攻撃を重ねながら次の手を考え、最終的にチェインアタックを成功に導けると 、これが本当に楽しい。
ノンプレイアブルの仲間も的確にサポートしてくれるように出来ています。
事前にブレイドの構成を考えて組んでおくと、
味方がコンボの際に助け舟を出してくれてテキパキと事が運び 、パーティ全体で共闘しているという感覚が得られるのが新鮮。プレイヤーが操作していなくてもきちんと味方が役に立っているように感じられるゲームって意外と見当たらないものです。
ドライバーアーツや必殺技、属性はブレイドによって異なるので
様々な種類を試したくなるし、成長要素もあるので愛着が沸きます。
アクションに爽快感があるものの戦略性が薄めなキングダムハーツ的バトルと
次の手を考えながら入力していくコマンド式バトルをうまく複合させたような作り。仲間を自分好みに変えられるブレイドシステムも独自性があり面白いです。
戦闘システムは、たいへんに満足しています。
壮観な世界(フィールド)
ゼノブレイド2は雲海に覆われた世界アルストが舞台です。
では人間はどこで生活しているのかというと、
巨神獣(アルス)と呼ばれる巨大な生物の上。
この設定からして心を鷲掴みにされました。
当然生き物なので、遠方に見える頭や尻尾などの体のパーツは動いているし、
きちんと体の部位に応じてロケーションの形も変わってくるという有様。
複数体いる巨神獣は、それぞれ国や文化・自然風景も異なっていて、
これを跨いで冒険していくなんて、あまりに贅沢。
最初に訪れるグーラでは、広々とした草原を中心に、樹林や断崖、湖が配置されていて緑豊か。
初っ端から高レベルのモンスターがいたりして、ちょっとでも気をぬくとやられてしまう自然の険しさも演出されています。
※序盤のフィールドです
このグーラは、四足歩行の獣の形をしていて草原を歩いていると首や頭、尻尾などが目に入るようになっているのですが、これも世界観の特異さを感じることができて高揚しました。地形は障害物も少なく、面積も広いのでとてつもない開放感。
ジャンルはオープンワールドではないのですが、巨神獣内はシームレスに動き回ることができるというのも、その開放感を引き立たせています。
その魅力的な舞台を個性豊かなパーティの面々と共に走り抜くのは、最近のRPGでは中々味わえないもの。これは自分にとって飛び抜けた評価点です。
このグーラでさえ序盤に訪れるステージでしかないというのが驚き。
鯨の体内にある妖しさと美しさが同居する国。
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広大な荒地と発展した工業地帯を有する国。
雲海に面し、細道で繋がれた島嶼群。
このようにロケーションの種類も豊富。旅を通じてさまざまな場所にいってみたくなります。
- 行く末を追いたくなる個性豊かなキャラクター達
- 戦略性と爽快感を両立した戦闘
- 冒険しがいのある壮麗な世界
この3つがとにかく良いんだ!と言いたい。
最近は、スカした言動をとるキャラクターや裏の裏をかくつもりでやけに掴み所のないストーリーに辟易していました。オープンワールド化で面積は広くなったのかもしれませんが、結果として単調な世界観になって窮屈に感じてしまうゲームすらありました。
しかしゼノブレイド2はストレートに良いものを作ろうと努力しているのが伝わってきました。それだけでクリエイターの方々に拍手を送りたいです。
本作の不満はすべてここに収束する「説明不足」
素晴らしさを語った一方で、どうしても看過できない不満もあります。一言で表せば説明が不十分だということ。
戦略性と爽快感を両立させているバトルに関しては不満はありません。
しかし、そのバトルをフルに楽しむために重要な導入部分が本当に雑です。
まず、序盤に説明文を読まされる時間が多すぎます。逐一初めてとる行動には説明文が表示され、テンポが削がれてしまいます。
↑さあ戦うぞ!って時に説明文
適当に済ませて進めようにも再確認できる機会は存在しないため、後回しにすることもままなりません。
もちろん今の時代はネットで調べれば答えが出てくるので、究極的に「システムが理解できなくて詰んだ」という状態になりませんが、こういうチュートリアルってゲームを遊びながら自然体得していくのが理想ではないでしょうか。
作中うまいこと説明できていたのって、インヴィディアでヴァンダムからアンカーショットで敵をダウンさせるドライバーコンボを教わった時ぐらいな気がします。
今作の場合、覚える項目が多いので遊びながら覚えさせるのが難しい…
という制作サイドの事情も理解できるのですが、それにしてもチュートリアルモードをゲーム内に据え付けておく措置はやっておいてほしかった。
↑情報屋で説明が売っていますが2行程度の簡素なものでしかありません。
なので、ゲームを理解するために文章をちゃんと読まないといけないわけですが、人によってはけっこう退屈な作業になってしまいます。
加えて言うと、説明文そのものにも問題があり、だいたい「説明しておしまい」です。
戦闘において超がつくほど重要なブレイドコンボやチェインアタックは「これこれこういうものである」という説明が入った後プレイヤーにぶん投げられます。仮にその場で説明通りの手順を踏めずに失敗したとしてもフォローは入りません。なので、読んだ時に理解できなければ、要領を得ないままゲームを進めてしまう可能性大。
また、今作は非戦闘時にスタートボタンを押して、ブレイドやドライバーのステータスの確認•調整をする回数が多いのですが、「イデア」とか「オーバードライブ」とかよくわからない単語が出てきてもヘルプ説明はありません。自分で弄って慣れていくしかないような作りです。
システム自体には穴が見当たらないのにサポートが不足しているおかげで、楽しめない人が出てくるのはほんとうに惜しいところ。
今どこにいるの?まさかの全体マップ無し
これも上述の説明不足に被る話ではありますが、特に疑問符を浮かべた部分なのでここで語ります。
ちょっと話逸れますが、自分は今年にやった「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」を傑作だと思っています。
この作品の魅力はなんといっても冒険しがいのある世界。
特定の地点にいってマップを解放し、方々のダンジョンを訪れ地図の情報を埋めていく達成感は、プレイヤーを冒険者に仕立て上げる最高の演出だったと思います。
ゼノブレイド2だって世界の魅力は負けじ劣らず。道中には分岐があったり、ブレイドのスキルで切り開ける道があったり怪しげな洞窟や敵の住処を発見することだってある。巨神獣がどのような構造になっていて、どこに何があるのか確認したいと思わされます。
なのに全体マップが無いってどういうことなの…
おかげで巨神獣という魅力的な舞台装置をあまりに活かせていないと思いました。
スキップトラベルの画面では折角、背骨だとか胸だとか体の部位の名前がついてる地名があるというのに、表示が細切れなおかげで「今自分たちは巨神獣の背中にいるんだ」といった感覚がまるで得られません。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」では
神獣と呼ばれる生物を模した立体のダンジョンが出てきます。
ゾウの鼻の先に何かあるぞ!と発見して興奮したり、ラクダのコブにいくにはどうしたらいいんだ?とパーツからルートを推測して、試行錯誤したりするような手探り体験は、かなり楽しかったです。マップを確認しても、自分がいまどこにいるのかわかりますし、それによって構造物の作り込みを一層実感しました。
ゼノブレイド2の巨神獣にも同様の楽しさを期待していました。実際フィールドの中身は充実しているだけに プレイヤーにそれを実感させる「全体マップ」が初期搭載されていないのは悔しくすらあります。
今後アップートでユーザーインターフェース周りは改善されるとのことなので、是非ともこうした不足点は埋めていってほしいと切に願っています。
まとめ
ユーザーへのサポートに至らぬ点が散見されますし、エロチックなキャラクターデザインや正直クサイ演出もあるので万人にオススメできるタイトルにはなっていないのが惜しい所です。
自分は深夜アニメ的な会話やレックスとホムラの間に見る恋愛色はかなりツボにはいったため、評価点としていますが、人によっては「気持ち悪い」で片付けてしまうこともあるでしょう。それはもう好みの問題なので仕方ないです。
しかし、ゲームそのものは非常に良質だと思います。キャラクターに感情移入し、バトルに熱中し、ストーリーを追い、世界を旅する。この古き良きJRPGが備えていた王道要素で勝負しにきているこの作品は気に入りました。
手掛けたモノリスソフトも今後注目していきたいです。
光田康典
SLEIGH BELLS
2018-05-23
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