視線とつま先が意味する心『恋は雨上がりのように』第4話感想

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こんにちは、ワタリ(@wataridley)です。

 今回は原作2巻の12話から14話までをアニメにしています。11話は尺の都合上カット…けっこうお気に入りの話だったのでショック(後述)

 

 

無関心のサイン

 

 あきらは、前回話したデートの件で、やや前のめりで店長に詰め寄る。

 

 当の店長は、あまり乗り気ではなくはぐらかそうという姿勢が見え隠れするも、あきらに押し切られる形で承諾。
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 店長の予定がビッシリ入っているシフト表が目に入り込んできて、飲食店のまとめ役は大変なんですね。。。

 

 ガーデンでバイトしている大学生加瀬の視点。あきらは年の割にクールで素っ気ない。だからこそ、その本心を覗いてみたいらしく、贔屓めに扱う。ふとしたきっかけで、デートに取り付けるも、彼女は一向に靡かない。
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 あきらは服装は簡素なもので済ませるし、話にも乗り気ではありませんでした。映画を観だ後にとっとと別れを切り出すあたりからも、徹底した無関心さが感じ取れます。

 

 加瀬が彼女の興味を引けたのはあの店長の話題。この時、初めて彼女は視線を加瀬と交えます。カフェという空間にいる時、お互いが向き合っていても誘えなかったコミュニケーションが、こんな形で成立してしまう。あきらにとっての店長の存在はそれほどまでに繊細で大切ということでしょう。

 

 怒りを露わにし、そこから立ち去るシーンに代表されるように、デートの最中「あきらと加瀬のつま先」がとても印象的に描かれています。待ち合わせをして、映画館に向かう途中は、加瀬がリードを取る形で歩きますが、お互いの足先は向かい合っていません。

 

 3話の感想に述べたように、つま先の対象は興味の対象だとされていますが、彼女らは一向に向き合わないんですね。加瀬から逃げるようにして喫茶店を去っていくシーンでは、あきらが加瀬からつま先を反らしていくわけです。足の向きは心の向きを意味しているといっていいでしょう

 

店長とのデート

 

 店長とのデートでは気合を入れた格好で挑みます。露骨に対応が異なる他にも、つま先や視線は店長に対して向くことが多いです

ふたつのデートを並べて、最もわかりやすい対比表現は空模様です。
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見ての通り、鉛色の雲で覆われた日に加瀬、すっきりとした青空の日に店長とデートしています。

待ち合わせの場面では、服装のみならずあきらの瞳にまで違いが表れています。
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加瀬との待ち合わせでは視線を逸らしていて浮かない顔ですね。店長の方では真っすぐに見つめています。ここまで徹底した対比が前面に出されていると加瀬さんの勝ち目はどうやらないようで…あきらが店長の前で見せる特別な表情が魅力的ですね。

ただ、当の店長はというと、あきらに対して最初は目線を合わせようとはしていませんでしたね。自分の気持ちをどこに着かせればいいのか、戸惑っているようです。
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あきらが入れた大量の砂糖の味で青春の頃を思い出す店長。
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しかし、周りにいる客の若々しい雰囲気が余計に自身の焦りを煽る。原作では、ほかの客からのヒソヒソ話から逃れるように店を出ていましたが、アニメでは店長の内に燻る感情を印象付けるよう変更されていますね

夕日にあたるあきらの姿からその若さを感じ取り、自分とは明確に異なる存在なのだと悟る店長。彼にとっては甘いだけじゃなく苦みもあるデートでした。

その日の夜に店長といった日に買ったパンフレットを大事にしようとするあきらの姿が可愛かったです。彼女にとってはどんな些細なことでさえ宝物になる。若さゆえでしょうか。
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原作との違い

デートの約束を取り付けてから、前髪を切るのに失敗したエピソードが丸々オミット
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ここはユイちゃんのキャラクターが掘り下げられ、彼女の姉も出てくる等賑やかで和気あいあいとした話で読んでいて楽しかったです。なので、アニメでも観たかった…というのが正直なところ。

とはいえアニメは漫画と異なり、自分で読み進めるペースを操作できない媒体ですから、スピード感を重視し、かつあきらと店長にフォーカスするなら仕方ないのかもしれません。

でも、原作にも良いシーンはあるので、アニメだけ見ている方にも知ってほしいです

さて、今回はデートというシチュエーションを2つも提示し、あきらの特別な感情を描き出し、それを以ても埋まらない店長との距離を示しました。まだまだ、縮まらない関係性。これが、どうなっていくのか?気になって仕方ないです

 



(C)眉月じゅん/小学館(C)アニメ「恋雨」製作委員会

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