ワタリドリの手帖

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今日は『スパイダーマン ホームカミングについての感想。
ネタバレ無し+ネタバレ有りです。

74/100

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一言あらすじ「みんなのスパイダーマンがアイアンマンからヒーロー活動制限されながらもやんちゃする




スパイダーマンといえば、僕は2002年公開の
主演トビー・マグワイア、監督サム・ライミのバージョンを真っ先に思い浮かべます。

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2000年代あたりからCGの技術が飛躍的に上昇したことを背景に
アメリカで数多くのアメコミ実写化作品が作られ、
サム・ライミ版もその流れに乗り、成功したアメコミ映画として今なお話題にあがります。
しかし、シリーズは3作で打ち切り。監督曰く、脚本の問題で終了を申し入れたのだとか。


そして、リブートされたのが
主演アンドリュー・ガーフィールド、監督マーク・ウェブのアメイジング・スパイダーマン(2012)

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しかし、こちらも本国で予算が回収できなくなった等の理由から打ち切り。
数々の伏線を残しながら2作で終了してしまいました。。。


このようにスパイダーマンというコンテンツは、
サム・ライミ監督の1作目がヒットして以降、
ファンからの支持により15年も形を変えながら続いてきた経緯があります。

が、スパイダーマンはマーベルコミックのヒーローでありながら、
製作会社が異なるという理由で残念なことにアベンジャーズに参加できませんでした。
(20世紀フォックスが製作しているX-MENシリーズも同様の理由から合流していません。)

アメイジング・スパイダーマンが打ち切られ、一体これからどうなるんだ!
シリーズのファンとしては今後の動向がとても心配でした。

それが、2016年公開の「
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にて
スパイダーマンの映画化権を持つソニー・ピクチャーズがマーベルに
使用を許可したことから、事態は一転。

あのアイアンマンやキャプテン・アメリカと共演を果たし、
ついにマーベルシネマティックユニバース(MUC)へと引き入れられます。

そして本作は、マーベル、ソニーの共同で製作・配給される
初のMUCスパイダーマンであります。

摩天楼をかけるスパイダーマンの面白さは既に証明済み。
マーベルと組んだら一体どんな化学反応を起こすのか?という
期待を胸に僕は4DXで観て来ました。
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↑臨場感があって面白いのでとてもオススメ


まず、率直に感想を述べます。
スパイダーマンとしては最高、MUC映画としては普通、1本の映画としてはどうなの?
といった所です。


まず、「1本の映画としてどうなの?」の理由から述べさせて頂く。

上で述べたようにスパイダーマンは映画が既に5つ作られ、
更にはMUCの映画も15本展開済みです。

スパイダーマンの知名度が高いことや
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で既に登場済みであることから、
本作では「蜘蛛に噛まれて能力に目覚める」といった起承転結でいう「起」のシーンは
台詞上であっさり説明されるのみ。

スパイダーマンを丸っきり知らない人が観にいったらこのあたり釈然としないかも。

また、冒頭既にアイアンマン トニー・スタークと関係を築いており
スパイダーマンのスーツを手に入れ、ヒーロー活動を始める経緯は
ダイジェスト風に主人公ピーターの隠し撮りカメラで映されるのみ。


つまり、まっさらな状態の人がこの映画を観ると疎外感を覚えるような作りなのです。
他の皆は知り合い同士なのに自分だけ初対面のパーティに参加したようなもの。

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このあたりはMUCであるが故の欠点といえます。
15作も作ってたら流石に初心者向けの説明なんか出来ないですからね。
朝ドラみたいにあらすじ映像をこまめに入れて…みたいなのも難しい。


が、逆に言えばこの映画の欠点はこのくらい。

スパイダーマンとしては新鮮な事だらけで楽しい映画になっている。
というのがスパイダーマン歴15年の僕の感想。

まず、先ほど欠点として述べはしましたが、
スパイダーマンの誕生の部分はさらっと流したおかげで
最初っからフルに彼のヒーロー姿を拝むことが出来るのがグッド。


ピーターを演じたトム・ホランドは若いながらも
出来る限り自分でアクションをこなしているらしく
スパイダーマンの軽やかな動作は既に板についています。
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彼、声がとても若々しい(作中でも言われてる)のですが、現在21歳だそうで。
15歳のピーターを難なく演じられる若さや未熟さも見事でした。

序盤から親愛なる隣人として活動に励む彼を見ていると応援したくなります。


それに加え、今回のスーツやウェブ・シューター(蜘蛛の糸を出す道具)は
トニー・スタークから支給されているとあって今までにないハイテク機能がついていて、
その使用を観客も楽しんで見られます。
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↑なんとドローンを胸から飛ばす。


こうしたヒーロースーツを活用しつつ、ピーターは普通の高校生として
スクールライフも送ることになるのですが、
友人達のキャラクターも立っており、学園物としても良いかも!?
昨今のハリウッドは(というかグローバルレベルで)ダイバーシティが重視されているためか
人種に関しても多様なキャスティングになってます。

_V1_

サム・ライミ版では、ピーターはあまり学生としての描写が無かったり、
マーク・ウェブ版でも、グウェン・ステイシーとの関係にフォーカスしていたこともあって、
今作のわちゃわちゃしたスクールライフの楽しさは独自色があって良かったです。

特に親友のネッドは丸々としたマスコット的ルックスと
学生特有のノリでピーターを茶化す一方で適切なサポートも行ってくれる超良いヤツですので
まだ観てない方は彼に注目しましょう!
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親友とのコンビネーションやら、マドンナとの恋愛やら、部活動やら…。
盛り込まれまくってるのに、それぞれが良い味出してます。


スパイダーマンの注目ポイントとしてはやはりウェブシューターを活用した
派手なアクションシーンにあると思うのですが、
今作の敵ヴァルチャーもまた空を飛ぶので、控えめに言ってもシリーズ最高に派手
3Dで見る価値はあると思います。
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ポスターの通りお馴染みアイアンマンも出てくるものの、
やはり主役はスパイダーマンなので、あくまで彼の引き立て役です。
適材適所で立ち回ってくれたので、ジョジョ4部でいう空条承太郎ですね。
(わかる人にわかればいい)
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今までのスパイダーマンは
「ベンおじさんの死」や「恩師の犯罪」や「恋人との死別」といった
なかなかにヘビーな出来事を扱ってきました。
今作ホームカミングは「大いなる力には大いなる責任が伴う」といった哲学的テーマはあまり触れず
学園物+ヒーロー物として贅沢かつ軽やかに仕上げられています。
気軽に楽しむことの出来る快作としてこの夏にオススメです。




以下ネタバレ




ヴァルチャー誕生の遠因
冒頭、アベンジャーズの戦いで出来た瓦礫を撤去する事業を手がけていた
エイドリアン(マイケル・キートン)。
しかし、トニー・スタークの手回しにより仕事を奪われしまいます。

この時「家族」という言葉を出し温情に訴えかけますが、あっさりのけれてしまう上に
ダメージ・コントロールの職員から「身の程を知れ」という非情な発言まで吹っ掛けられる始末。

このあたりの展開は胸糞悪く、権力者が社会的弱者をいじめる現実的な構図が
ヴィラン誕生のきっかけとなります。
スパイダーマンシリーズの悪役は、悪役になるまでのプロセスは割りと力を入れて
パーソナリティも詳しく描かれる傾向があったのに対し、
この映画では視聴者がすんなり納得できるような理由が用意されていて、展開がスピーディーですね。

結局、既に回収した宇宙からのエネルギーを利用して非合法の事業を始めることになります。
数年の時を経て、ヴァルチャーのスーツも完成。

俯瞰してみると、トニー達の闘いにより生じた被害のリカバリーをしようとした市民から
間接的にであれトニーがその仕事を奪ってしまった形になっているため
元を辿ればアイアンマンが元凶、と言えなくもない感じが何とも言えないですね…。
せめて、事実ぐらいは認知してほしかったかなぁ。


迫力と工夫のアクションシーン
スパイダーマンどころか、マーベルのヒーロー映画も沢山作られている中で
本作は単なるパワー馬鹿のバトルというよりもシチュエーションで魅せる工夫を
凝らしていたような印象を受けました。

初対面したヴァルチャーに空中に連れ去られた初戦、
輸送機を巡ってバトルするラストバトルも勿論良かったのですが、
自分がこの映画で面白いと思ったのは、決裂するフェリーのシーンですね。
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このあたりは、船に潜入する段階から、スーツの機能をフル活用しているし、
敵とのバトル、突然の警察介入、ヴァルチャー急襲、フェリー決壊の大事故など連続して
面白い出来事が積み重なっていくので目が離せませんでした。

フェリーが沈まないよう食い止めるべく、蜘蛛の糸を張り巡らしていく必至さや
画の特殊さと迫力でおなかいっぱい。

インタビューで聞いたのですが、このために真っ二つの船を用意する力の入れようだったそうで。
見せ場としては、色々なハプニングとダイナミズムを含んだここが一番だったと思います。

そしてここでは、最終的にはアイアンマンが場を収めてくれましたが、スーツ没収という憂き目に。


スパイダーマンのスーツ
スパイダーマンのスーツはトニーからの支給品であるため
歴代で一番贅沢だったのではないでしょうか。

上で挙げたとおり、胸からドローンを飛ばせるのは勿論
ウェブシューターから射出する弾にもいろんな種類があった模様。
さらっと流してたけど、カレン(スーツに備わったナビゲーター)曰く
576通りの糸を出せるとか。多すぎて覚えられなさそうですね。
いや、それ以上あるポケモン覚えられるし案外いけるかも。

スパイディーの性格も「アメイジング~」に引き続き
学生故の軽さがあり、糸の使い方もフレキシブル。
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また、ウェブ・ウィングスなる飛行能力まで備えていて
もはや蜘蛛の域を出ているようなすごい機能まであったのはびっくり。

↑0:44あたりがその映像。

しかしながら、単独行動で人々を危険に晒してしまったことからトニーにスーツを剥奪され
最終決戦ではこれらの潤沢なリソースを使うことができませんでした。
(この時スーツに頼るな云々言われてましたけどスーツに頼りまくりのトニーはいいのかと思った)

ウェブシューターと素人時代のお手製スーツで、完全武装のヴァルチャーに勇猛果敢に
挑んでいくその姿こそまさに真のヒーロー。

中盤のフェリーの事件までスーツを活用していたからこそ、
最後の「生身」の闘いが際立ったのでしょう。

タイトルの「ホームカミング」とは劇中で高校の学園祭の意味で使われていましたが
スーツを失い、一旦はただの学生に戻ったピーターがスパイダーマンとして「帰郷」する
プロセスも含んでいるのかもしれない、と思いました。


衝撃の事実発覚
ヴァルチャーとスパイダーマンとして対峙していた二人が、
ホームカミングの日にリズの父とリズのボーイフレンドとしてまさかの対面。

冒頭「家族」の存在に触れはしたものの、そのバックグラウンドは全く見えないまま
単なる敵対者としてヴァルチャーは出てきていました。

だからこそスパイダーマンも葛藤を経ることなく戦うことができました。
思えば、スパイダーマンのヴィランはいずれもピーターと関係のある役回りが多かったと思います。
サム・ライミ版の「1」「2」「3」ではそれぞれ友人の父、憧れの対象、叔父の仇といった具合に
ヴィランとは何かしらの因縁がありましたが、
本作ホームカミングでは、中盤まで、そういったしがらみ抜きに楽しむ事が出来たのです。

しかし、敵が想い人の父であったという事実が明らかになる事で、
一気に従来のスパイダーマンらしく、ピーターの精神的な葛藤が描かれました。

順調にいきかけたリズとの関係よりもヒーローとしてのスパイダーマンを優先するまで、
たった一夜の出来事でしかありませんでしたが、
静的なシーンよりも動的なヒーローの活躍を描こうとする
本作の作風にマッチしていて良かったんじゃないでしょうか。


リズとは離れ離れになり、苦味を感じる結果になりながらも、
トニーからのアベンジャーズ加入のオファーを断り、親愛なる隣人として生きる決意を見せる程に
精神的な成長を見せたピーター。

そんな彼の姿を見て、これからも大いに期待できると思いました。
2019年にもスパイダーマンは新作が公開されるという告知もあり、楽しみです。
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