ジブリ絵+平凡なストーリー『メアリと魔女の花』レビュー【ネタバレ無&有】

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 こんにちは、ワタリ(@watari_ww)です。

「メアリと魔女の花」についての感想・レビューになります。

前半はネタバレ無し、後半はネタバレありです。ネタバレに入る前に注意書きがありますので、未見の方もそこまで読んでいただければと思います。


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60/100
 
一言あらすじ「ひょんなことから魔女になった少女が魔法学校へゴー」
 

 

ネタバレ抜きの感想

 今夏公開のアニメーション作品。監督は「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌氏。元スタジオジブリのスタッフ多数で構成されたスタジオポノックの第一回長編作品になります。

 
 かの宮崎駿監督が「風立ちぬ(2013)」を最後に長編アニメの制作から引退する旨を発表し、後継が期待される日本のアニメーション界。去年には「君の名は。」が記録的ヒットを遂げ、益々アニメに対しての熱は高まっていたように思います。
 
 さて、そんな中で世に放たれたのが、この「メアリ」ですが…内容に関して直球で表現すると、平凡。及第点。中庸。
 
 絵は悪くないです。ルックスはポスターからわかる通り、間違いなくジブリの遺伝子を継いでいる。
 
 お馴染みのキャラクターデザインに加えて、流石あのジブリスタッフが関わったとあって作画や背景美術は文句のつけようは無い。大衆はジブリ映画に対して美しい絵を期待する層も多いので、そこは相変わらず力を入れていたと思います。
 
 そこで肝心になってくるのは、お話。そのお話がはっきりと言えば、平凡の凡。あらすじに書いたように「少女が魔法使いになって悪い奴らをやっつける」というような古今東西使い古されたお話であり、その中にこれといったオリジナリティを感じられなかった
 
 つまらなくはないです。見ている間は先の展開を気にしたり、魔法の描写を楽しんだりできる。しかし、見終わってみて「また見たい!」という感動があまり襲ってこないという感じなのです。
 
 やはりその原因は、そつなくこなしすぎた。という部分にあるように思います。絵は確かにジブリ、話も特に破綻は無いし、起承転結はっきりしている。主人公のメアリは可愛げがあるし、箒で空を飛ぶというお約束もある。
 
 が、それ以上突っ込んだ描写が無いというのが、期待はずれだったかなーと。はっきり言えば、ジブリ映画(宮崎映画)にはあった「奥ゆかしさ」や「メッセージ性」が希薄という事。
 
 とはいえ、そつの無さ、は言い換えれば安定しているということ。ファミリー向けを想定しているのか変に怖くて残酷なシーンは無いし、夏に映画館で見るなら選択肢に入れても損は無い…そんな作品だと思います。
以下ネタバレになります。
全体を振り返って

 話を振り返ると、

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  1. メアリが夜間飛行によって魔女になる
  2. 魔法大学へ
  3. なにやら陰謀が…
  4. メアリ、奮起

 

大きくこういった筋になっています。ストーリーラインで言えば、かつてのジブリ作品で、異世界に迷い込む「千と千尋の神隠し」に近いのです。

 

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 しかし、比較してしまうと、こちらは色々と欠けている点が多い。「メアリ」には湯婆婆のような強烈な悪役、坊や番台蛙などの可愛いサブキャラ、カオナシやオクサレ様のような「引っ掛かり」を与える謎の存在が無い。
 
 宮崎駿監督がどのように意図して作っていたのか。その全容を知り尽くすことが出来ず、何度も何度も咀嚼して味わってみたくなるミステリアスな描写が山盛りだった「千と千尋」に比べると、「メアリ」は1回見れば充分というレベルに留まってしまっている気がします。
 

 メアリに出てくるドクターとマダムについても、最初から可愛げのあるキャラクターとして描かれている事やメアリと夜間飛行の事に当初気付いていなかったあたりも悪役としての底知れなさに欠けていたように思います。個人的にドクター・デイは、軽妙な言動が面白く、お気に入りなんですけどね。

個人的なお気に入りポイント

 

 猫のティブがとても可愛い。

黒猫といえばやっぱり「魔女の宅急便」のジジを思い出すのですが、
こちらは一切喋らないので、猫本来の仕草で動くのが良かった。

 

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 2回ほど何かを恐れてメアリの部屋に逃げ込んできた時や恋人のギブと頬を寄せ合う仕草は、可愛いと思いました。
 
時系列を敢えて隠す
 話の中で面白いと思った仕掛けが最初のシーンです。赤毛の魔女が夜間飛行の種を持ち出し、敵襲を受けて墜落。落ちた先に種が植わり、樹々が急激に成長を遂げるあのシーン。
 
 僕はてっきり、あのシーンの時間はメアリが夜間飛行を見つける直前だと思ってしまったのですが、
実際には大叔母シャーロットの若い頃という種明かしがあり、そこで初めて赤毛の魔女=シャーロットも同時に判明するという順番です。
 
敢えて時間の流れを描かなかったことで、このあたりはさりげないミスリードになっていたと思います
 
折角の大学なのに…
 起承転結の承のあたりで、大学に到着したメアリ。ここで学園生活が始まるのかと期待していたのですが、授業風景やキャンパスライフは顔見せ程度で、ちょっぴり残念でした
 

 大学が舞台なのに、大学の生徒はモブ扱いで、(主に)学長と科学者だけで話が進むので、こじんまりしてしまったかなーと。

 尺の都合上仕方ないとは思うんですけどね。

 

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